◆6月に読んだ本

総評:前半は理想的なリズムで読めていたが、後半は展示の手伝いの疲れや、あらたな筋トレに夢中になってしまったことで他のことに注意がいかなくなり、大失速した。来月は元のリズムに生活を戻していくことを目標に据えつつ、読んでいきたい。

6月の読書数:6.5冊

華氏451度

レイ・ブラッドベリ著。これ6月なのか。だいぶ前のように感じる。サークル主宰にすすめてもらった本なのだが、彼女のススメはハズレがなさすぎてびっくりする。内容としては、本を持つことが違法となった世界の話。ひたすら世界の奥底に悲しみが潜んでいる。本がなぜあるのか、どうしてこの世界のようになってはならないのか、最終章で語られるシーンに共感を禁じ得なかった。訳もたいへんセンスがあり、流麗。

一汁一菜でよいという提案

料理研究家・土井善晴さんの一冊。つい、つくりすぎてしまう習慣から抜け出したくて読んだ。こまかいことは別記事にあるが、結論としては読んでよかった。これ以来筋トレ変革からの食生活革命が起き、どんどん自炊が楽になっていっている気がする。本は内容のよしあしもあるが、出会うタイミングも結構重要なんだなと思わされた一冊。遅くても早くてもだめだったと思う。

パプリカ

筒井康隆著。漫画化、映画化もされている(未視聴)。平沢進の「パレード」いいよね。音楽はあまりわからないけれど、平沢進はたまに聞きたくなる。こちらも別記事でまとめたが、後半がゼノギアスのDisk2よろしく大加速展開になるのでちょっと本だとついていけないなという感じがした。話はおもしろいが、読書体験としてはイマイチだった。ハードカバー版の装丁がなんとなく好き(Amazonにはなかったので文庫版のリンクだが……)。

屈せざる者たち

辺見庸の対談集。オウム真理教事件のあとに出版されているのでその話題も多い。冤罪で逮捕されていた方との対談では、オウム事件がいかに社会を震撼させたのかを肌で感じることができた。そして冤罪についても考えさせられる。序盤の対談でこれだ。とにかくいろいろな話題が出てくるのでここでは書ききれないが、現代社会のあり方に不信感のある人は読んでみて損しないと思う。わたしは読んでよかったと思った。

もの食う人びと

辺見庸ずきの先輩がこの本をいっぱい持っている(なんで?)そうなので、一冊もらった。飽食の国にうんざりした著者が各大陸を飛び回り現地の食に密着する本。ミンダナオ島の、戦時中に人間を食ってしまった老人の話からチェルノブイリ原発そばの村に住む人々の食事まで、盛りだくさんだ。食べるという行為を通してにんげんが根本的にもつ生への執着が伝わってくるが、何よりも誰かに頼まれたわけではなく、一筋縄ではいかないこの旅を自分の意志で決行し、見て、書いたところがわたしにいちばん突き刺さった。

自動起床装置

『屈せざる者たち』を皮切りに、辺見庸がとにかく読みたかった月だ。相模原障害者施設殺傷事件に着想を得た『月』以来、ノンフィクションばかり読んでいたので小説をと。1991年の作品とは思えないくらい「現代のすがた」が描かれていた。きちんと世界を見ているひとには先見の明があるのだろう。文学の力をかんじた。あと、最近の著作よりも語彙がやわらかい。辺見庸じしんも変わったのだ。いつまでも旧態依然とした社会・人間への怒りが、最近はよくあらわれている気がする。

闇金ウシジマくん本

これまでのことがインタビュー形式でまとまっている。むかしのインタビューも収録されているので、わたしのような新参者にはうれしい一冊となっている。完結記念にアシスタントたちが真鍋先生に送った同人誌も抜粋されていて、愛がある。どこをとっても最高。ウシジマくん好きな人は買いなさい。そして同志で語り合いなさい。それでもエネルギーがあり余っていたら現代社会のバイブルとして周りに布教しましょう。以上です。

枯木灘

中上健次著。ざっくりいうと、熊野という閉鎖的な環境における身内殺しの話。 物語の重みがとてつもなく、内容はたいへんおもしろいのだが、もりもり読み進めていくのには不適だ。じっくりゆっくりと各登場人物ごとの視点を想像しながら味わう作品だろう。ということでおよそ半分読み終え、来月にもちこす。家系図がややこしすぎて最初は戸惑う。Overflowだ。

あと睡眠の本をぱらっと読んだが、そこまでためにならなかったので割愛。

重ためと軽め、フィクションとノンフィクションをほどよく読んでいくとなんとなくリズムよく読書ができるのかな。辺見庸はノンフィクションも小説も書ける人だからなのかどちらでもないものを読んでいるような感じがしてふしぎだ。しかしそのことばの芯には燃え上がるような意志を感じる。すごくすきだ。ことばのちから、とでもいうのだろうか。

本を読むことそれ自体がたのしいのはもちろんだが、自らが書くときのことばのちからをきちんとつけたいというのも、本を読む大きな理由だ。まだまだわたしのことばは空疎だ。もっとなにか、足りないものを見つけたい。ことばに出会うため旅をつづける。

読んでくださり、ありがとうございます。今月は自分で本を選ぶことが多かったのでけっこう偏ってますな。

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ヒプノシア

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