◆救いを求める読書

これまで何度も自炊の量を減らす試みをしてきた。始めた当初よりつくる量は減ってきたが、やはりまだまだ多くつくってしまう。

どこかで「いろいろつくらなければ」という思いがわたしの中に巣食っているのだろう。こういうとき頼りになるのは、その道の先駆者に教えを乞うことだ。例えがゲームで申し訳ないが、格上の者と格下の者からまったく同じアドバイスを受けたとしても、より確固たるエビデンスを備えた格上のことばの方が説得力があるのだ。

ということで、今回わたしが選んだのは土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』だ。料理は格上、格下が決められるほど自身が成熟していないし、そもそもゲームのような上達志向でやっているわけではない。そのため土井さんの、料理研究家の経験に裏打ちされた思想、和食、家庭料理に関する問題意識に惹かれ、本書を手にとった。

なかでもいちばん響いたのは前半の「ハレとケ」についての箇所だ。日常は「ケ」であるからして、料理も豪勢でなくてよいし、見た目もこだわりすぎなくていい、一汁一菜でも具だくさんならじゅうぶんなのだと。本文中に載っていた土井さんの一汁一菜はたしかにそういってしかるべき食卓の写真ばかりだった。「飾らない、等身大の日常」というキャッチコピーがぴったりだ。料理研究家の人もこれでやっていく日があるのだと驚いてしまった。ざんねんながら添付することはできないが、なかなか度肝を抜かれる写真だと思う。いかに一汁三菜の理想郷にしばられているかというのがわかる。

読み進める中で「ちょっと自分の考え方とちがうな」という箇所もあるが、とうぜん他人なのでそういうこともある。なにも全てに同意するために本を読んでいるわけではない。わたしが求めていたのは「たくさんつくらなくてもいいんだよ。それはこういう理由だよ。」というりくつだ。序盤の「ハレとケ」の部分でその多くは語られ、わたしの中にすっと溶け込んでいる。そのため他の部分は「いいな」と思ったら取り入れればいいし「いいや」と思えば忘れてしまえばいい。その本が実用的であればあるほど、そういう読み方でいいような気がする。

ということで、先駆者の教えを取り入れながら、もっと楽をしていきたいと思う。

さいごにまったく関係ないけれど、これを読んで、ひとりぐらしになったらお膳を買いたくなった。いつになることやら。

読んでくださり、ありがとうございます。「本」カテゴリはどういうふうに使っていいのか悩みます。ただ「読みました」じゃあつまらないし、感想を書き連ねるのもたいへんだしで、今回はこんな感じになりました。

コメント

  1. […] 晴さんの一冊。つい、つくりすぎてしまう習慣から抜け出したくて読んだ。こまかいことは別記事にあるが、結論としては読んでよかった。これ以来筋トレ変革からの食生活革命が起き、 […]

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