◆感想『実録 解離性障害のちぐはぐな日々: 私の中のたくさんのワタシ』

イラストレーターのTokinさんの実録本。解離性障害の実録本はなかなかないので、ちゃんと知りたくてAmazonで予約したのだった。まわりに解離性障害の人はいるものの、じぶんの病気・障害というのはなかなか開示するきっかけ、そこに至るまでの関係は遠い。じっさいわたしも、じぶんの病気についてひとに語るのはむずかしい。ひとを選ぶし、こういうふうに不特定多数のひとにひらいていくのはまだできそうにない。
解離性障害というとゲーマー的にはゼノギアスを思い出すのだが、読んでいると本当にそうで、ゼノギアスをつくった人たちは病気のことを少なからず調べていたのだろうなぁと思わされる。約20年前にそういった内容をふくんだ作品が世に送り出されたことを奇跡のように感じた。
中身はコミックエッセイ調になっており、たいへん読みやすい。また、ところどころに精神科医の解説コラムも入っており、一個人の実録にとどまらない親切なつくりになっている。
内容のすばらしさもさることながら、著者・Tokinさんが自分と向き合い、描きだす勇気・労力・筆の力にいたく感服した。すべて見習うべきわざだと、身につまされた。たいへんよい本だったので、読後はアトリエの本棚に預けた。スタッフの方が「前から読んでみたかったんだよね。」とおっしゃっていた。

中でも「他人に、自分を知ってもらおうとしたことが今までにあっただろうか?」と自問し、自分を知ってもらうための媒体を考えたり、試行するシーンが胸に響いた。
今わたしは、その伝え方に悩んでいる。なにかこう自分にとっても、見る人にとってもしっくりきたらいいなぁと思う。まずは出力しないことには始まらないのだけれど、背中を押してくれる心強い1冊だった。ほかにも既刊のペーパーをまとめた冊子などがあるそうなので、ゆっくり集めて読み進みたい。

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