◆銀河の三人 レビュー(後半)◆

 およそ一ヶ月間があいてしまったが、何食わぬ顔で後半書きます。やっぱり書かないと忘れてしまうのよ。実際、忘れてる。

cryin8c10wn.hatenablog.jp

 これのつづきね。そういえばレビューは、ややマイナーなものだけにしようかな、って感じでおります。ゼノギアスとか実はあるんだけど、もうこのあたりはスポットしぼって考察したい。

 

 前半ではグラフィックや独特の移動方法、世界を盛り上げる音楽等々だいぶ楽しそうにレビューを書いたが、実際やってみると攻略難易度が高く、めげる場面が多い。前半に書いた「回復とアイテムの補給の場が少なすぎること」もありながら、実は他にもある。それは大きく分けると「レベルを上げて無双できる状態を抑制するための工夫により難しくなった」ものと「レトロゲームにありがちな片手落ちな調整(そもそも調整したのか?と思われるような)による理不尽」のふたつがある。しばしば欠点として「難しさ」を挙げられがちな『銀河の三人』だが、わたし個人としては「この時代のバランス調整としてはだいぶ画期的だったのでは!?」と感動した側面の方が大きかったりする。

 まずは「意図されたであろう調整」による難しさについて。これは単純に、主人公達のレベル上限ににストップがかかる仕様である。本作には中ボスにあたる敵が数機いるのだが、それらを倒すことで一定のレベル上限が開放される。つまり中ボスを倒さずして寄り道を繰り返し、鍛錬するという手法が取れないのだ(レベル上限に達しても経験値は入るが、その処理がどうなっているかは謎である。おそらく昔のゲームであるので、表記だけされて切り捨てられているのではないだろうか…)。またこれは最終局面まで適応されており、ラスボスと対峙するレベルを絶妙なところで抑えることによって、戦闘の緊張感を増している。そもそもの戦闘バランスが適正よりややきつめに作られているので、この仕様がゲームの難易度をさらに引き上げているという印象だ。とはいえ、攻略が絶望的なほど難しくはないので、ちまたで言われているほど「難しく」はないはずだ、と個人的には思った。死んで覚えるゲーム、スキだしね…。また前半で触れた「回復箇所やアイテムの補充箇所が少なすぎる」点も、コンビニエンスすぎる宇宙に違和があってのことかもしれない…と、終わってみてから思った。この要素だけなら、理不尽な感じはしなかったのだと思う。

 次に理不尽寄りな難しさについて。まずダンジョンが広い上に迷路じみた構成が多いこと。しかもマップに特徴がない。キャラはあんなにも肉付けされているのに、マップは星ごとにそれっぽい色が付いているだけでかなり淡白である。行き止まりに宝箱がないこともしばしばだ。あと場所によっては壁の部分が反対色で点滅するため目がめっちゃ痛い。ファミコンの色の数は思いの外少ない。だけど雰囲気は、出てるんだよな…。

 ふたつ目はダンジョンに謎のワープ地帯があること。先に進めるものならばいいが、最奥に着いたと思って踏み出したらスタート地点に戻ってしまった…という箇所が数カ所(とはいってもa fewだけど…)ある。実はそのダンジョンは別の正解ルートが存在しているのだが、そのポイント探しに非っっっっっっっっ常に骨が折れた。言ってしまうと正解ルートは「そのダンジョンのどこかにある別のワープ地帯で、なぜか1マス(2マスだったかも)しか当たり判定がない」のだ。他のワープ地帯の当たり判定が道幅と同程度にもかかわらず、この厳しさは一体何なのだろうと自問してしまった……。さらに言うと、スタートに戻るハズレワープ地点には数カ所強制エンカウントがあり、自然エンカウントする敵より一回り以上強い。適正レベルで挑めば死あるのみだ。行き場所がわからないなかこの仕打ちは、だいぶこたえた…。ここで全滅して地球に戻された戦士たちはかなり多かったのではなかろうか。

 三つめは先制攻撃を受ける確率がちょっと高めなこと。ただ高めなだけならばよいが銀河の三人のバトルは敵の数が1~9体でランダムであり、9体から一斉攻撃を受けるとこちらのターンが回ってくる前に死んでしまうことがある。しかも、主人公とブルーのいずれかが戦闘不能になると死亡扱いになるので、攻撃が偏るとどうしようもない。特にこれは敵の攻撃力がインフレしだす後半で頻発する。先制も攻撃の偏りも回避のすべなし、縛りプレーでもないのに祈るほかない。またレベルアップによる成長はどうやらHPのみのようで、すばやさなどといったステータスは存在しない「漢を感じさせる」仕様となっている(にげるコマンドやキャンセルコマンドのない「星をみるひと」を連想してしまう)。そしてバトルはほとんどの場所で起こる。銀河の三人で死ぬパターンとして一番ありがちなのが、この「敵の数の多い状態の先制攻撃」といっても過言ではない。

 最後に…これは理不尽でも難易度を上げる要因でもないのだが、相棒ブルーの煽り文句である。このゲームは主人公がほとんどしゃべらない代わりに相棒のブルーが折にふれて喋る。宝を見つけたとき、レベルアップをしたとき、通信を受けたとき…ほんとうによく喋る。時には主人公とヒロインを気遣い、いい雰囲気にさせてくれることもある。しかしそんな中でわれわれプレイヤーが最も気になるのはそういった気の回し方ではなく、攻撃を外したときに煽ってくるシーンではないかと思う。なぜかはよくわからないが、銀河の三人はわれわれも敵もよく攻撃を外す。そのたびに必ずブルーは茶々を入れてくる。それどころか自分が攻撃を外しても喋る。しかもやたらとおちゃめで軽薄な口調なのだ。そんなことなので、切迫する後半になっていくにつれてそのいらだちを感じる人は多かったのではないかと思う。「おめさんが煽ってるうちに死ぬからねこっちは!?」みたいな感じ。ダンジョンの奥でアイテムが尽きたときなどにこれが起きると、あまり怒らない質のわたしもさすがにキました。

 と、難しさに関してはこのあたりだろうか。「理不尽」とは言ったものの「主人公が何もできないときに最強の魔法を撃ってくるザコが息をするように出てくる」とか「ある地点を通過するとSEが鳴り、それが最重要アイテム入手の合図であった」とか「最強の武器はどうあがいても手に入らないので、ボツデータ上の存在である」とか、そういった理不尽さでは全くないので、あくまでこのゲームを枢軸に据えた際の「これはちょっとないんじゃないの!?」という点だ。というわけで難しい難しいと言われてはいるものの、なんとか我慢できる程度の難易度にとどまっているのではないかな、と思う。

 最後にシナリオについて少し。王道の勧善懲悪ものだが結末には驚いた。しかしそれこそがこのゲームの味であり、われわれの求める「理想や願望」に対する「確固たる現実」ではないか……と感じた。90年代中盤になってくるとこのような描写はぽんぽん出てくるし、もっと先になるとそれが中心に据えられることもしばしばだ。だが1987年当時、このような切迫感をもってシナリオが迫ってくるゲームというのはなかなか稀有だったのではないだろうか。また中盤の仲間の会話の際に三人の関係が垣間見え微笑ましいような、切ないような気持ちになる。その切なさの中にはわれわれが日々を過ごす中で感じる「リアルな感情」をともなったシチュエーションが描かれており、司令官のおおもりダイチのネーミングといいこのシーンといい「なぜここをやたらリアルに表現したのだろう……」という気持ちが沸かずにはいられなかった。

 ちなみに原作である「地球戦士ライーザ」のキャッチコピーは当初「オドロオドロしいのはもう飽きた! スカッとRPGしようぜ」であったが、後期は「悲劇の予感」である。たしかに前者は間違っていない……が、スカっと遊べたかどうかは甚だ疑問であるし、後期のキャッチと抱く印象が真逆である……うーん。

 難易度面で荒削りな部分がありつつもそこはファミコンの愛嬌であろう。独特のシステムや世界観を描写した作品として評価は★★★★☆。万人受けはしないと思いますが結構オススメしたい一本。

 アウトプットも日常の中に戻してあげたい一日でした。書くことの幸せ。

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