友人の教えてくれた本を読みに、ふだんは行かないデザインの書棚へ行った。わたしのしごとは全くデザイン系ではないのだけれど、わけあってかじっておいたほうがいい状況になったのだ。右も左もわからないので、やろうやろうと思いながら手をつけないまま、5月も半ばを過ぎた。一番最悪なパターンである。

友人の教えてくれた本はイラストや写真込みのデザイン本となっていて、文字主軸のわたしの場合はやや異なる趣のようだった。近くにあった本を何冊か物色していると「やってはいけないデザイン」という本が目に止まった。

開いてみると、だめなデザインとよいデザインがBefore/Afterの形でいくつも載っている。おそらくこれは初学者のための本で、素人のわたしですら「これはないだろ」「あまりにもダサい」というのもたくさんあった。一方で新たに勉強になった部分もあり、中でも目を引いたのが「色の割合は6:3:1だと均整がとれていて見やすい」というものだった。

例を見てみると6:3:1の説得力はなかなかのものだ。ふと、自分の絵を思い起こしてみる。いつも、色の配分に悩んでいる。わからないまま塗り、あまり気に入らないものが爆誕していく。6:3:1を採用してみると、変わるのかもしれない。次アトリエに行くときに、試してみようか。

書店を去ってからもこの数字が頭から離れない。夕飯どきなので、自炊のことについて考える。あわただしいときの献立でもこの6:3:1を採用できるのではないだろうか?自炊をさぼろう、手を抜こうと思っても、いつもの4:2:2:1:1(便宜上つけたので実際は異なる)がベースでは、うまく手を抜けないのも道理だ。たとえばうどん6、つくりおきのおかず3、つけものや豆1というふうに考えれば、ハードルがぐっと下がる。数字のおかげでイメージもしやすい。つくってもいないのに、手応えを感じた。

文学のコーナーをぐるぐると歩いているだけでは巡り会えなかったであろう黄金律と出会い、ちょっぴり人生がひろがったような気がする。理屈や合理性でものごとを積み重ねてきたわたしに、数字という強い味方が入ってきた。おかげで地盤が強くなり、安定して持続していくことができるようになるかもしれない。さらに運がよければ新たな出会いや発見もある……かもしれない。そんな期待をほのかに抱きながら、帰途につく。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。黄金律はほかにも3:7や5:25なんかがあるみたいですね。3:7は6:3:1よりもざっくりとしたもの、たとえば休日の過ごし方なんかに応用できそうです。いいこと思いついたら書いてみようかな。