◆家事は鍛錬なり

家を出るまで、家事をやったことがなかった。せいぜい実家にいた頃の家事といえば、母の不在時に雨が降って、外に干していた洗濯物を取り込んでおくくらいのものだった(しかもとりこむだけで、たたまない)。あまりに家事をしないものだから、自宅の洗濯機の操作の仕方も知らなかったし、掃除機の使い方もよくわかっていなかった。


それが家を出て一通りの家事をしてみるようになると「家事、たのしいやん。」と気付いた。おもしろさの源泉を考えてみると、ゲームで装備を整えることとよく似ていた。
家は自分の城である。家に引きこもりがちであればあるほど、その意識は強くなるように思う。わたしは仕事の時間以外はだいたい家にいるので、家の環境と生活の質がだいぶ密接なことは想像に難くない。自分の城を整備することは、そのまま城の強さにつながる。じっさい家に強いも弱いもないので言い換えると「便利」とか「清潔」とか「快適」いうことだ。それが自分の家事しだいでダイレクトに響いてくるとなれば、家の強化に邁進するのはゲーマーとして当然のことである。毎日の掃除・洗濯、あとこれは毎日ではないけれど……料理もする。時間を持て余したときはいつもやらない箇所も掃除してみたりする。広いダンジョンの分岐を全ルート行ってみるタイプの方は、たぶんこれが向いていると思う。
繰り返していくうちに「もっと無駄なく行うことはできないだろうか?」と考えるようになり、家事の効率化がはじまる。洗濯物の干し方を工夫したり、作り置きをしたり、ときどき鍋を磨いたり、他にもいろいろあるが、どれも家の強化をスピーディかつ効果的に行うことに寄与している。そうなるとぐんぐん家のレベルが上がっていき、ますます生活が快適になっていく。この繰り返しによって家事が義務的なものから家の強化に、生活が茫漠と過ぎていくものからが創意工夫のある楽しいものへ変わり、今に至る。
武器を鍛冶屋に預けて強くしたり、防具を新調してみたり、友人にもらったアクセサリをつけて戦ってみたりと、いろいろ試しながらキャラクターは強くなる。強くなったあとは腕試しをしたくなるのがゲーマーの性である。この前歯の立たなかったダンジョンに潜ってみたり、難しいクエストを引き受けてみたりする。それが成功したときの快感といったら!!!よろこびもひとしおである。
上述した家事も、これとまったくおなじ構造をしている。ゲームと比べるとその成果は素朴で地味だが、ゲームと違って現実に直接関わってくるのでささいなことが案外モチベーションになる。「おいしい」と言ってもらえたとか、鏡がぴかぴかで肌の肌理まで見える気がするとか、時短に成功したとか、そういうことでいい。その積み重ねが、さらなる生活の向上を呼ぶのだ。とはいえ、まだまだ満足いっていないことも多く、引き続き精進したい所存である。

読んでくださり、ありがとうございます。すべてはゲーム的にとらえ、考えることで、やる気が出ます。いろいろ考えるくせに、根は単純なものです。余談ですが新聞がたまってきたので家中の鏡をみがきました。やり方についてはここなどをどうぞ。

生活
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ヒプノシア

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