友人に教わった「1日ひとつ短編を読んで、かんたんな感想を残しておく」というすてきな習慣が、めでたく2ヶ月を迎えた。最初の1ヶ月は読んだり読まなかったりしていい加減だったのに、いまではすっかり定着して、夜の楽しみになっている。

ここ最近は家事の手際がよくなったおかげで、夜の時間を長く取れる日が増えてきた。むしろ夜の時間を長く取るために、家事の工夫をしたともいえるかもしれない。いずれにしても、これまでになかった「ぜいたくな悩み」が浮上してきている、ということをいいたい。それは「せっかく時間があるし、もうひとつ読んでみよう」と思ったときに、何を手にとるかということだ。

そのとき読んでいる短編をもうひとつ読み進めるのがしぜんだが、あまりそういうことはしない。なぜか、ちがったものが読みたい。そういうわけなので、似たジャンルで別の作家の作品をふたつめに……というのはしっくりこない。ぜんぜん違うジャンルのものをぱらぱらと見てみても、そのときの気分によっては「今日じゃないな」という結論が下る。積んでいる本はいくらでもあるくせに、やっかいな脳みそである。

けっきょくいろいろ積読をあさってみてしっくりきたのは、年末に読もうと思っていた谷崎潤一郎の『文章読本』であった。ちょうど1年の締めくくりの時期に文章についての手解きを受け、自分の文章を見つめ直したいという思いで積んでおいた1冊だが、目次を見てみると小分けになっていて読みやすそうで、ここ最近の自分の文に対する不全感も手伝い、やや早めの登場となった。きのう一章を半分ほど読み進めたのだが、わずかな頁の中でいくつも学びになる箇所があり、すでに「読んでよかったなぁ」というきもちが湧き出ている。『文章読本』は文章を書くための手引書であるから、読み終わったあとに本のエッセンスをしっかり活かしていくことが肝要なのだけれど、果たしてどうなることやら……。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。連休の終わりはどうしてこうも早いのでしょうね。