◆つくるは心の元気

 バイトを入れてから疲れがたまってしまい、なかなか朝に起きられなくなった。体力に自信があるわけでもない輩が週6(ときに7)勤務をすれば当然の帰結である。
 わたしはここでエッセイを書きはじめて以降、朝に書くと決めているので、朝起きられなければとうぜん書く時間は削られていく。精神のこともさることながら、創作までは到底たどり着けない。これが自らへの不全感と化し、徐々に元気がなくなっていく。おまけに洗濯した下着が一枚なくなってしまい、まだ見つかっていないのも頭を悩ませている。部屋干ししているというのに、いったいおまえはどこに行ってしまったのか。

 今週は客数の関係でバイトがなくなった。引っ越し資金のためとはいえ、疲れていたのでありがたい。10時ごろに起き、目についたりんごを煮た。友人が近所に住んでいて、お歳暮やお中元の時期に果物を大量にもらうそうだが、ひとりぐらしゆえ、消費に難儀しているという。はじめは切って分けあっていたのだが、さすがに生食だけでは飽きてきてしまう。熟したものを3つ選んで、家にある一番おおきな鍋に入れた。ビタクラフト・ウルトラ。何がウルトラなのかはよくわからないけれど、パンも焼けるし魚も煮ることのできる万能選手だ。りんごに少なめの砂糖、そしてシナモン。焼き八つ橋がたべたくなった。京都にもずいぶん長らく行っていない。おもえば、今年は旅行をしていない。
 煮ている間はすることがないので、ひさしぶりにパソコンを開いて文字を打つ。頭の中にある思考が文字になって流れていく。ぱんぱんに膨れ上がった脳がすっきりしていく。脳内デトックスとでも呼ぶにだろうか。やはりアウトプットは定期的にしておきたい。体が軽くなるような感覚、体重計に乗らずとも、気のせいなのはわかっている。
 2,30分するとなべぶたが踊る音と、シナモンの香りが漂ってくる。その香りに癒やされている自分に気づく。ぼうっと布団にうずくまってネガティブなことを考えるより、つくっていたほうがずっと気持ちがいい。わかっていても、疲れているときはなかなか抜け出せないものだ。ふたを開け、温かいりんごをひとつかじってみる。広がる甘みと酸味にとろけそうになる。
 なにかをつくると、心の元気になる。見えないからこそ、きちんと潤してやりたいものだ。

 読んでくださり、ありがとうございます。つくることのできるコンディションを維持しながら暮らしていくのが、来年の目標でしょうか。創作までやりたいのが本音ですが、いったんバイトに集中することにして、noteや精神のことをコンスタントに書けるようにしていきたいです。毎日更新もしゃかりきにならず、まずは週2からやります。スモールステップを知っていてよかったです。

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