読んだもの

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『庭の話』(著・宇野恒寛)

現代のインターネット、とりわけXをはじめとするSNSによる承認獲得ベースでもなく、だからといって共同体として回帰していくのでもないあらたな空間、著者いわく「庭」が、どんなものなのか考えていこう!という本。特段不幸でなくとも「とかくこの世は生...
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『ルポ・超高級老人ホーム』(著・甚野博則)

いわゆるサ高住の入居者、スタッフ、業務の様子にきりこんだ本。高くてもこうなので、安いところになるともっと混沌としているのだろうなと思わされる。どこにでも社会はあるけれども、夫婦で入居するとパワーバランスが妻によりやすい傾向や、後半に出てくる...
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【映画】『どうすればよかったか?』感想

かねてより気になっていた作品だったのだが、なかなかきっかけを作れないまま早2ヶ月。一方、いよいよXの使いづらさや運営の横暴さに嫌気がさし、Blueskyのアカウントをひらいて本作が再び目に入った。あ、今観に行こうと即予約、翌日に足を運ぶ。い...
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『優しい地獄』(著・イリナ・グリゴレ)

社会主義国家の頃のルーマニアで生まれ、チャウシェスク独裁を抜けて資本主義へと移行していくなかで育った著者が、日本の文学と出会い人類学者として暮らすまでのことを細やかにつづったエッセイ。一時期、独裁政権のことを調べるのにはまっていた時期があり...
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『ここはすべての夜明け前』(著・間宮改衣)

現代日本にうまれた主人公が、融合手術を受け、老いない機械の体を手に入れる。ほかの家族や恋人が時の流れで死んでいくなかで、おしゃべりの相手がいなくなった「わたし」は、家族史を書いてみてはと生前の父から提案されていたことを思い出し、語り(書き)...
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『とるに足りない細部』(アダニーヤ・シブリー著、山本薫訳)

タイムラインであがってきた本だっただろうか。なんとなく重たい本を読みたい時期で、まとめて買ったなかのひとつ(そのとき『なぜ、その子どもはおかゆの中で煮えているのか』『優しい地獄』『ギリシャ語の時間』を同時購入した)。あらすじは端的にいうと、...
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『ギリシャ語の時間』(ハン・ガン著、斎藤真理子訳)

24年のノーベル文学賞作家として名をはせたハン・ガン氏の著書。受賞作はまさかの読んでいない。すみません。ただ、この作品を読んで、テイスト的にはすきな感じがしたので、じゅんぐりまためぐりあえたらと思う。さて、こちらの作品はタイトルの通り、古代...
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◆感想『九条の大罪』第83審「至高の検事」19

今週のお話九条の取り調べ前回の終わりに対面した、九条と嵐山。第1審で九条が助言した「完全黙秘で20日間で釈放」狙いか、と嵐山に問われるも、九条はこたえない。時間はまだあると、嵐山はどっしり構えている。脳裏には、10年前に犬飼らに、元はといえ...
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◆感想『九条の大罪』第82審「至高の検事」18

今週のお話の前になんと前回の更新が6/6なので、1ヶ月半ぶりである。そのため、ちょっとこれまでのおさらいをしてから今回の話に入ろう。なにせ自分で話をよく覚えていないのだった。軽いおさらい伏見組の若頭である京極の息子・猛に恨みをもっている男か...
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◆感想『九条の大罪』第81審「至高の検事」17

今週のお話事件壬生の自首から、あれよあれよと伏見組に警察の手が回り、ネットニュースになっている。京極は逮捕されるも、「まったく知らない」としらをきっているようだ。そのニュースを見ているのは苦情の師である流木と、烏丸だ。長期実刑になる可能性が...