◆ツーブロック修行譚

外出してツーブロックのひとをみると、つい目がいってしまう。わたしの「かっこいい」は幼きころは少年的な爽やかさから始まり、今ではウシジマ的ないかつさが軸になっているので、ツーブロックはまさに男性的かっこよさの象徴である。昨今はツーブロック自体がカジュアルになってきているのか、温和そうな方がツーブロックをしていることもあるけれど、いかつさとは違った味があり、それはそれですてきだ。

ツーブロックのひとの多くはおしゃれだ。やぼったいツーブロックのひとを、まだ見たことがない。靴はぴかぴかでたいがいつまさきが尖っていて、その攻撃的なたたずまいにあこがれる。嫌味すぎない香水の匂いもセットになって、ブランドものであろう小ぶりのかばんを持っている。

わたしがツーブロックをはじめたのは「楽だし、かっこいいから」という小学生のごとき動機なのだが、そもそもが女性であるうえに間の抜けた顔立ちなので、ニュートラルな状態だといかつさとは対照のところにいる。体格メイク服装その他諸々、だいぶがんばらないと理想のツーブロック人(びと)になれない。先人たちを見ると、至らない点ばかりである。より精進を重ね、及第点まで辿り着かねばならない。メイクは多少いかつめに上達してきたが、筋肉は1日にしてならず、まだまだである。服装に関しても検討と洗練が必要だ。

たちのわるいことに、及第点の先を攻めていきたいという野望もある。攻撃は最大の守りと言った昔の戦人がいた。ツーブロックも、なにかに負けないための装備なのかもしれないと思うことがある。この平和な日々のなかに、敵はいないのだけれど……。まぁ、災害とおなじで、いざというときの訓練というのはだいじなので、強いにこしたことはない。そういうことにしておこう。

とはいえ、ツーブロックにして以来ゲームセンターで対面のひとに道を譲られたり、凝視されたりすることは増えたかもしれない。そういえば、音楽ゲーム界隈でツーブロックの人はすくない。社会人にしてはお金のかからない趣味のはずだけれど、音楽ゲームの界隈では、ツーブロックがあまり好まれないのだろうか……。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。結局きのうは靴を買ってシャツを買って本を読んで……そういうふうに過ごしました。

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