◆闇金ウシジマくん(ウシジマくん59)

 

ひさしぶりの闇金ウシジマくん感想記事です。ただ自分がやっていなかったというだけなのに、感慨深いものです。

さて、長らく感想を書かないうちに(読んではおりました)ウシジマくん編も59話目と、だいぶ長丁場になってきています。総話数473です。500で終わるのだろうかしら。まだまだ完結するには回収されていない要素がたくさんありますね。全体としては猪背組のふたりが大きく動く話でした。以下、敬体は疲れるのでいつもの文体に戻します。

 

開始早々、滑皮の義指のシーン。「義指」で調べてみると元ヤクザの社会復帰を応援するために作っているという方がおられるが、滑皮の場合はそれには当たらない。では、一体何のために使うのか?サバゲーのときに筋者だと悟られないため、というわけではあるまい。それにしても、以前滑皮の小指が描かれていた!と一部ウシジマ読者から声があったが、これも義指という形で納得できる流れになっているのは流石である。当時は忘れて描き足してしまったのでは?という声もあったが、「闇金ウシジマくん」は作中のあらゆる事柄が因果で繋がる作品である……なにかあると睨んでいたが、こういった形で接続されて安堵している。今後の種明かしに期待。滑皮は朝食を済ませて寄るところがあるという。

場面はシシック本部へ。どうやら今回は獅子谷失踪から1週間後のことらしい。幹部たちが失踪についてあれこれと邪推している。その中で、竹腹と名乗る男性が核心めいたことを口にする。

滑皮さんが画を描いてんじゃねェーか?

獅子谷会長がいなくなっていったい誰が得をする?

滑皮に取り込まれたといっても、シシックの儲けた金は獅子谷存命中、ある程度は獅子谷の意向を汲まれていたと思われる(なにせ盃をもらうのではなく、半グレのまま取り込まれているからであるし、二人の会話を見るに、完全に滑皮が舵をとっていたようには見えない)。しかしトップがいなくなり、次期候補らしき人間もいない今ではどうか。滑皮が牛耳ってしまえばさらに滑皮陣営の経済基盤は安定するはずである。また、その考えに対し黒髪の男(名称不明)が「今さらヤクザになンてなったら、地元の笑い者だよ!」と返す。あえて半グレのまま猛威を奮っていた自分たちが、いまさらヤクザの子分になるというのはヒエラルキー的に下落してしまう、ということを意味するのだろうか。

話の最中に滑皮が到着。それにしても梶尾・鳶田を隣に据えたこの三角形の構図、かっこいいなあ。慌てた連中は獅子谷のことを尋ねる。滑皮は無視し、竹腹に「誰に空気入れられた(そそのかされた)?」と訊く。といっても、その相手の見当はついている可能性が高いだろうが……。獅子谷への弔いはなく、ダンベルで竹腹の肩を殴打。他の組員らに、猪背組に入ることを強要する。「文句のある人間はブチ殺す」と脅せば、絶対的な君主・獅子谷を失った幹部連中はリングの中で情けなく正座する。たった一人仁王立ちする滑皮が新たに君臨した王のようだ。

ところ変わって豹堂と巳池の会話シーンに。漁船が多く停泊している。広がる山脈?森を見るに、なかなかの田舎町だ。「ヤクザくん」編冒頭で丑嶋が呼び出された漁港に似ている。もし同じ場所であれば千葉の漁港(銚子とか?)だろうが、確証は持てない。それにしても「ヤクザくん」編の頃から作中の時間が経過しているせいか、滑皮の顔立ちがだいぶ違っているなぁ。呼び方も兄貴→親父になっているし、だいぶこの間に変化があったことは疑いようがない。

早速、シシックが滑皮の組に入ったことを知った豹堂。どうやら情報源は滑皮に反発する、シシックの人間のようだ(竹腹っぽい気はする)。巳池との会話を見るに、戌亥をあてにしすぎているということはないらしい。まぁ戌亥は丑嶋・滑皮・豹堂の三者に情報を流しているわけだし、そういう仕事としての「探偵」であることはわかっているだろうし、当たり前といえばそうかもしれない。思えば丑嶋も戌亥を「裏切ったのか?」等と問わなかったので、戌亥はあらゆる人間に対して中立的に仕事をする質なのだろう。すると同様に、滑皮も戌亥を自分の情報源として利用しているが、丑嶋側・豹堂側に情報が渡っている可能性をいくぶん覚悟していると考えた方が自然だ。そうなると、物語の勝者がますます見えなくなってくる。

さて、どうもパッとしないヤクザとして豹堂は描かれていたが、実は舐めてかかるととんでもない目に遭うのかもしれないと今回の話で感じた。「ウシジマくん」編登場以降うだつの上がらない描写が続くが、よくよく考えれば猪背組の本部長に上り詰めているわけであるから、仮に上の贔屓目があったとしても全くの無能ではないだろう。仁義を重んじ、シノギも慎重にやっているように映る。

鹿島失踪の件を明るみにしたい豹堂は、梶尾・鳶田に事件のことを吐かせる画を描く。そのために戌亥のことも強めに脅した、将棋と同じく、弱い駒から詰めていくのだと豹堂は言う。歩きながらたどり着いたのは滑皮の武器庫であった。レンタルロッカーみたいな、ガレージみたいな感じだ。巳池に開けさせ(こじ開けちゃったけどあとあと大丈夫なのだろうか)、拳銃を盗む。拳銃を調査されても、足がつかないための策であろう。その役には、前半で滑皮に殴打された竹腹を採用するらしい。果たしてうまくいくのか。戌亥は豹堂にGPSを付けたりしていないだろうか?

最後は沖縄でウォーターサバゲーしないかと梶尾・鳶田を誘う滑皮。その手には水鉄砲と、遊び心満載のアイテム。前コマ、前頁の拳銃とのコントラストで見事に〆、473話は終わる。

今回は盆の合併号なので、次話は8/20発売号だ。また感想を書けたら続けたい。

豹堂がしっかり登場しだす42巻と

柄崎と丑嶋がちょっと気まずくなりそうな予感がして終わる43巻。

コメント

  1. […] 前回分はこちら […]

WP Twitter Auto Publish Powered By : XYZScripts.com