夜、筋トレを終えて足をもんでいると、同居人がめずらしくわたしに声をかけてきた。

「足、太いね。」

わたしはぎょっとした。痩せるために始めた筋トレで太っているというのか?たしかに最近は間食が多く甘いものを摂取しすぎの自覚はあるが、それならば膨れるのは足ではなく腹ではないだろうか。ためしに腹肉をつかんでみる。変化はない。そのあと足をまじまじ触ってみると、硬い。つまり、脂肪でなく筋肉による太さである。名前はわからないけれど太ももの一番大きな筋肉がガッチリとついていた。

筋トレが習慣化してまいにち続けているが、このような足になることは果たして理想だったのだろうか?本音を言ってしまえば、わたしの理想は男性的な逆三角の上半身で、がっちりとした足をもつ肉体である。しかし、自分のからだの大きさとバランスでそうなってもうれしくない。では、減量を終えたわたしのからだの理想はどこにあるのか?筋トレが楽しすぎてまったく考えていなかったことに、いまさら気づいた。

女性として生まれてしまったけれど、強い肉体を得たいというのは揺るぎそうにない。では、どの程度のかたちを、わたしはめざしたらいいのか?周りに筋トレをしている女性を知らないので、残念ながら身近な手本はない。スポーツ選手ではトレーニングの量が違いすぎる。現実に見つからないのならば、二次元のバトルガールたちはどうか?いや、そもそも現実の人間をばかにしているのかというくらい、からだのバランスが美しく、お話にならない。おっぱいもでかすぎる。

そうしたらやはり現実に立ち返り、そこそこに筋トレをしている人と知り合えばいいのだろうか?そうも都合よくいるものだろうか?人と知り合うのもけっこう疲れるし、気が進まないなァ……。

けっきょく、目標探しに苦心するくらいなら、黙々と筋トレをしたいと思い直す。行き先不明の片道切符をポケットに入れたまま、筋トレを続けることにした。一体わたしのからだがどこにいくのか、誰もしらない。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。日曜日から背筋を足しました。