■「どうせしんどい」

2月の末くらいから「レンタルぶさいく」というチャンネルをよく見ている。万人におすすめできる清潔なチャンネルではないが、早稲田大学を卒業した男・篠原塁が、自身の「ぶさいく」を貸したお金でアムステルダムにうどん屋を開店する!という趣旨のチャンネルだ。

これだけで何がおもしろいかというところなのだが、とにもかくにも彼の人生はうまくいっていない。そもそも「うどん屋を開く」というのもここ1,2年のところで、その前はフィリピンに移住していたものの、たいして変わらない物価と日本よりも安い賃金、苛烈な労働に疲弊し、生活がめちゃくちゃになっている。そこに、今や「バキバキ童貞」として名を馳せる春とヒコーキのぐんぴぃら「キモシェアハウス」のルームメイトたちが篠原を助けに行くというエピソードも。もともとはお笑い芸人をめざしていたというが、自分より面白い人たちが山ほどいることに気づき挫折し、生き方の軸を何度も変えながら篠原は生きていく。

いろいろな動画を見る中で印象的だったのは、彼が挫折の多い人生だったことだ。家族仲もよく、友人にも恵まれ(ているようにみえる)、学歴も早稲田卒と決して悪くはない。しかし、あえて「ぶさいくを貸した金でうどん屋を海外でやろう」とする。いつだったか、うどんを作るエピソード(たくさんあってどの回かサルベージできなかったのだ)中に「生きているのはどうせしんどいから、だったら俺のやりたいことをやる」と話していたことだった。「確かに、そうだよな〜。」と時間が経つごとにじわじわと思わされた。楽に生きていた瞬間、たしかに、自分でもいつだっけ?と思う。決して挫折ばかり不幸ばかりではないが、「しんどいな」とその時は思っていたような気がする。この前、保育園に行っている子(たぶん4,5歳)に「保育園どーなの?」と尋ねるとすぐに「うーん、同じで退屈。」と。物心ついてまもない園児がこう言うのだから、1億総しんどい時代といってもいいのかもしれない。

「これからどうしていきたいんだろう」ということは、今の会社に入ってからしばしば考える機会があり、そこで「だったら俺のやりたいこと」って何なんだろうなーというのは、ばくぜんとしていて、案外パッと答えがでない。たとえ、暫定的な答えとしてでも「アムステルダムうどん」を導き出した篠原はすごい人だなと思わされる。

読んでくださり、ありがとうございます。いっぺんぶすを借りてみるのもアリかなと思っています。周りにこういう人いないので。

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