◆やさいの新習慣

何かと集まったり食事をする機会の多い12月、外食費がかさむ分どこかを削ってみようと考える。順当に考えて、外食費が増えるのならば食費は減りそうである。

近くにいくつか農家の直売所がある。値札をみれば価格崩壊している。「ほうれん草ができすぎちゃって、ひとつだと150円だけどふたつなら200円よ」と言われたときには、そんな勘定がこの世に存在しているものかと困惑した(といいつつ、迷わずふたつ買った)。野菜たちは新鮮そのもので、Google検索で見かけるような「野菜のみかた・えらびかた」に合致した品が惜しげもなく並んでいる。ときには店をはしごしながら自転車を走らせ、野菜を買って帰る。

店に立つ人にもカラーがある。見慣れない野菜のレシピをていねいに教えてくれるひともいれば、昔ながらの個人商店よろしく、そっけないひともいる(そういうひとは去り際になるとほんの少し口角を上げて、ぼそっと礼を言う)。道すがらにある小屋で店をやっているので狭いし、BGMもない。これはスーパーマーケットが苦手なわたしにはうれしい点だ。

ひとつ大きなポイントとしては、朝が早いことだ。早いところだと7時に開いている。さすがに冬の7時はむりなのでもう少しあとで行くのだけれど、休日の生活リズムが狂いにくくなるというのはうれしい。休日はいつもどおりに目が覚めても、どうしてもだらだらとしてしまいがちなので……。

宅配野菜と同じく泥を軽く落としてあるだけなので、芋類の保存はきくしときどき虫も出てくる。これはもうデメリットというよりは、農家直売の「味」である。虫に触れる機会の少ないまま東京の片隅でおとなになったわたしは、植物の間から這い出てくる虫を見るとドキドキしてしまう。そのときだけは童心に戻った気がして、芋虫をこねてみたりすることもある。

今月も残りわずかだが、食費をみてみるとおよそ半分まで落ち着いている。外食がかさむこともあろうが、野菜の単価は下がっている。宅配野菜とちがって配送料もない。今後じょうずに使い分けしていけたらと思う。

読んでくださり、ありがとうございます。直売所の景気は何度行ってもよくわかりません。

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