ひさしぶりに海外SF、今回は韓国の作家さんだ。アジアSFはだいたい満足度が高くて、なんでなんだろうな。
母娘と宇宙のテクノロジー譚『あなたは灼熱の星に』はよかった。ケン・リュウの家族間の話がだいたい自分にはヒットするので、母が娘との接し方に向き合うシーンは沁み入った。ケン・リュウ作品が温かみあるのに対し、そこに第三者の視点とでもいうのか、一歩引いたドライな感じも加わる読後感が新鮮だった。もしかすると、それぞれの作品の内容は一例でしかなく、もっと大きな人間存在の根源といってよいような部分を突き詰めている作家さんなのかもしれないと思った。
また、最長となる『アスタチン』は最初、横文字の長い元素の名前がキャラクターになっており、え、全然覚えられないよ!と、やや不満にも近い感覚でなんだかちょっと入り込めず、気が進まなかったのだが(あまり本を飛ばすことはしないのだが、飛ばして後にしようかな、と思うくらいであった)、途中、主人公が他の衛星に旅をするあたりからぐんぐん読み進めて、気づいたら最後まで読み終えてしまった。世界観の説明フェーズからアクションへの引き込みがすばらしかった。5,6年前に『宝石の国』を一気読みしてしまったときのことを思い出した。
読んでくださり、ありがとうございます。SFはいつでもおもしろいです。

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