読もう読もうと思ってようやく購入した一冊。出版されたのは1995年とだいぶ前であるが、2024年に第二十四刷とあった。
1920年代あたりからの、生物兵器犯罪にまつわることを時系列でまとめている。単に七三一部隊だけを扱うのではなく、構成員の生い立ちやポジション、東大病院や北里病院など、身近な病院が出てくるのでルーツが感じられるのも、現代とのつながりを感じさせられる。基本的な細菌やウイルスの知識などもさりげなく説明されており、順番に読んでいけば基本的なことがわかるようになっている。そんなにたくさん新書を読んできてはいないけれども、新書ってこういう機能の本だよな、と感じた。
3章に入ってからは凍傷の人体実験の様子など、読んでいて少し具合が悪くなる部分もあったが、読んでよかった。ナチスのヨーゼフ・メンゲレもそうだが、国単位・民族単位での生物兵器犯罪には関心がある。終盤、こういったことが行われた後の国の姿勢についても批判的に述べられており、そういった国であるからこそ、一般人たる我々が真実を見極め、世の中と向き合っていく必要性が説かれる。人がそのような姿勢を身につけ、考える術をえるために役立ってくれるのが哲学なんだろうな、というのがふと頭をもたげた。
読んでくださり、ありがとうございます。常石先生の本はまた他のものを読んでみたいなと思いました。

コメント