2026年の4冊目。2冊めは『世界自炊紀行』、3冊目は『パプリカ』。
Xかなにかで回ってきたのだったかな。ノンフィクション作家の書く、ノンフィクションの書き方をまとめた一冊。新書なのでサクサク読めるが骨太。構成と内容は何を扱うか、どう情報収集するか、どうまとめるかと、実践と同じように進む。ことばも選ばれて書かれているゆえ、非常に読みやすい。ただ、その読みやすさ以上に、中にこもったエッセンスは濃厚である、と感じた。
今年の頭、朝井リョウを読み始めたあたりから、文章を書くことそのものに対するアプローチをして、自身の書く文章のアップデートを図りたく思う。そのなかでも事実に則った文章に関して、入門書としてこの本の右に出るものはないように思えた。さらに、贅沢なことに、著者の実例が抜粋されていたり、ノンフィクションを書くにあたって手本になるような書籍についてもいくつか引用があり、名文をたくさん見られる機会が訪れる。誰でも簡単に文や文章を書くことができるようになった今、名文の湧き出る泉は貴重だ。読んでいて、なんだかずっといい気分だった。
もうひとつ触れたいのは、表題のとおり、書くことも調べることも「技術」である、ということだ。自分も対人支援の仕事をしていて、相手に対して「あえてそうする/しない」といった線引きをすることがある。それには理由があり、各々の支援方針に則って動く。決して個人的な好き嫌いの感情や、その時の気分で動くのではない。ただ、その辺りがよくまとまった本というのは、あんまり多くはない。こういった芯のある「技術」が新書のかたちで出版されていることそのこと自体が、驚嘆すべき事態だなーと思った。技術系や医療だとありえないんだろうな。
話はそれたが、自分がまとまった文章を書く時に勉強になる一冊だった。くりかえし何度も読むことになるだろう。
読んでくださり、ありがとうございます。外部向けの企画の発表をしたのですがその原稿づくりに苦戦しまして、その前に出会いたかった。

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