その日着る服は、前から順番に取る。畳んだものを後ろに置くので、おのずと前方には最近着ていないものが来る。すきな服のテイストが徐々に定まり、どの組み合わせをしても合う。夏はTシャツ、それ以外はボタンダウンシャツだ。そこに春秋はカーディガンや羽織もの、冬はコートを重ねる。例外として、休日はワンピースも着る。しごとの都合上ワンピースは平日のローテーションに取り入れられないのだが、たまに着たいときもある。暑い夏は特に。
これを繰り返していくうちに、もっと統一感のあるワードローブをつくりたくなってきた。より自分のすきなもので固めた精鋭を想像すると、なんだかわくわくしてくる。毎日すきなものを食べられる食卓のようだ。既にボタンダウンは同じ形の色違いを4着持っており、他の形は持っていない。同じ形だと「これはすき」「これは微妙」ということが起こらないからか良い循環ができ、夏のTシャツやボトムスについてもそれに倣いたく思う。また、いろいろな形の服があると自分の見え方が変わってくるので、体型の変化がわかりづらいことがある。それに引き換え全部同じ形ならフィット感やシルエットは同じだ。こういったメンテナンスの意味も込めて、同じ服を着たい。
それに加え、同じ服の人はイメージがぶれない印象がある。非現実の話で恐縮だが、ゲームのキャラクターは宿に泊まっても一回離脱して戻ってきても同じ服を着ている(ことが多い)。まるで服までアイデンティティであると言わんばかりの存在感である。それくらいの一体感に、言い知れぬあこがれがある。さらに、外見の変化が物語のアクセントにもなっている。たとえばFF9におけるダガーの断髪シーンはこれまでの自分との訣別と共に行われていたし、FF10から10-2におけるユウナの服装の変化は、スピラの運命と隣り合わせで生きてきた彼女のキャラクターをも変化させている。
服によって自己表現したいし、変化するなら物語がほしい。やっかいなことに、それを現実に持ち込んでしまうのがわたしという輩なのだ。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。選択の機会がひとつ減るというのも統一することのよさです。
コメント
[…] 「コピペになりたい」というエッセイを半年くらい前に書いた。毎日気に入った服、要するにおなじものを着つづけたいという内容だ。最近さらに、拍車がかかってきた。 […]