◆集中したことをほめる

前回のアトリエの合評後、別のひとが書いたマッキー絵に感化され、ひたすらマッキーで絵を描いていた。およそ二時間ほどだろうか、誰とも話さずとりくんでいた。

画面いっぱいに色が広がったところで、集中の糸が切れる。ほどなくして、どっと疲れが押し寄せた。過集中のわたしにはよくある現象である。「また」、やってしまった……。疲れるまで集中してしまうのは、あとあとに影響するので決してよいものではない。しかし、すきなことは集中しすぎてしまって、止まらない。わるいくせだ。

「すごく集中してたね。気迫が伝わってきたから、話しかけなかったよ。」と残っていたうちのひとりが言った。人の減ったアトリエで、ひとりひとりの状態はより強く伝わる。かなしみ・よろこび・怒り……すべてそうだ。

わたしは集中「しすぎて」しまったことを罪深げにぽろっとこぼした。するともうひとり残っていた方が

「集中できた自分をほめてあげてください」とにこやかに仰った。

集中して「しまう」という言い方からわかるように、わたしにとって集中は、「しすぎてしまう」危惧とつねに背中合わせだ。リスクばかりに気をとられていたわたしは、彼の一言に目から鱗の落ちる思いがした。本来「集中」とはいいもののはずなのだ。知らないうちに、警戒しすぎていた自分に気づく。

「自分をほめてあげて、おいしいものでも食べてください。」

彼はふだんどおりに肉と野菜を焼いて、いつも買わない少しお高いたれをちょびっとかけて味わうそうだ。せっかくアトリエに通うのが金曜になったことだし、いつもよりちょっといい調味料で料理をしてみるのはありかもしれない。

今回は、たまたま次の日が焼肉の予約をしていた日だったので、からだのなかを良質のあぶらで癒した。焼酎もしみた。その後酔って目の焦点があわなくなり、たまごをマフラーにこぼした。帰ってからは夜の薬と相互作用がおきたのか睡眠がグチャグチャにかき混ぜられて、翌日の調子はガタガタだった。自分をほめるのも「ほどほどに」しないといけないようだ。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。日々いろいろな方のいろいろな角度のことばに学びを得ている気がします。ありがたいです。

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