◆感想『九条の大罪』第78審「至高の検事」14

今週のお話

GWで、あいだがあいてしまった。今回もどんどん展開していった。

実行犯の殺害

「最後の断末魔を歌ってたな。なかなか感動的なライブだっただろ?」と、京極が呼び出した菅原に問う。答えない菅原に、京極は好きな歌手を訪ねる。半ばしかたなく、長渕剛とこたえる菅原に、軽いノリで同意する。なんでこんな話をしているのかといえば、京極の息子・猛を殺した実行犯のひとりの腸を引き摺り出し、マイクスタンドに巻きつけたところだったようだ。眼球をくり抜かれ、鼻を削がれ、手指を削がれ、臓物まで引き摺り出されて、絶命してしまった。そんな凶行を見せられた菅原は、気味悪いとでもいったように、一瞥するのであった。

壬生と久我

九条の「独り言」どおり、京極の武器庫から拳銃を回収したふたり。そこには持ち手のあるバッグがふたつと、スティールのキャリーバッグがひとつ。腕を組み、その様子を見て考えるふたり。壬生は、今から京極と掛け合いに行くという。1時間で戻らなければ自分の命はないので、壬生の代わりに久我が拳銃をもって出頭するように命じる。それを聞いた久我は、キャリーバッグを京極の元に本当に持っていくのかと尋ねる。交渉のために、証拠がいると壬生はこたえる。その中身は、一体なんなのか。

壬生、交渉に赴く

どこかのホテルの出口で、黒服の男が待ち伏せている。まさに、そのホテルのラウンジ、だろうか?そこに、京極と壬生がいるのだ。京極は単刀直入に、主犯である犬飼の居場所を尋ねる。壬生もかくさない。そして、キャリーバッグも傍に持ってきている。案内するのか、外で控えている壬生の舎弟たちと自分の舎弟たちで、実力行使といくつもりなのかと、京極はせまる。そこには、元・伏見組の鍛冶屋の姿もあり、毅然とした態度で不良たちの間を縫っていく。どれだけ人数を揃えても、肝が据わっていない人間は役に立たないと言い放つ京極。ここはまさに、ヤクザと半グレの差を語っているシーンだろう。

壬生はそれを受け入れつつ、犬飼を連れてきたという。

犬飼の居場所

壬生と久我が、犬飼を、どこか飛行場のそばに連れてきたようだ。ホテルのチェックインまで時間があるので、壬生たちといた方が安心だと犬飼はいう。用を足すためにふたりに背を向けると、壬生は銃弾を、犬飼に撃ちこむのであった。飛行機の音で銃声はかき消される。「お前の人生ってなんだったんだろうな。」と壬生は言う。そこでまた「死んだ弟」がでてくる。死んだ弟と同じように、壬生がケジメをとったと。京極に拷問されて死ぬよりはマシだろうと、そこで回想は終わる。

改めて、京極は犬飼の居所を尋ねる。壬生は、キャリーケースを指し「その中にいます。」とこたえるのだった……。

感想

いやあ、最後のシーンは『School Days』アニメ版を思い出さざるをええない展開であった。犬飼はここにて脱落か。無事に海外逃亡したとしても、次の出番は乏しいだろうしなあ。にしても、壬生が生き残るにあたり、京極の恨みを過度に買わない、というところで、犬飼をやったのだろうかしら。

今回の話は、壬生の弟の話がふたたびでてくる。これは本当の弟のことなのか、愛犬「おもち」のような、どっちなのか、京極に拷問、というのが、おもちが殺されたときのことを思うと、おもちは壬生が金属バットで手を下しているので、弟、というよりは、弟分、なのかもしれない。となると、壬生は結構京極から、屈辱的な思いをさせられている、のかな。そこも読んだ上での、犬飼殺害なのかもしれない。

犬飼の人生は、10代前半の頃に、壬生の依頼で、300万で嵐山の娘を強姦殺人して10年間刑務所に入り、何の気なしに受けた依頼で拉致した猛を殺し、死体遺棄して、逃亡と思いきや、その途上で壬生に殺されてしまった。自分で考えているようにみえて、結局壬生に、いいように踊らされていたのかな。

壬生は犬飼が懐きつつあるなかで、ドライに拳銃の引き金を引いている。そう言う意味ではやはり、うまく立ち回りながら今の立場にあるのだろう。久我のような優秀な右腕がいて、あと邪魔になるのは京極くらいのもの、なのかもしれない。ただ、京極はヤクザで、徒党を組んでやってくる。半グレの自分たちのような、有象無象では太刀打ちできない。愛する息子である猛の一件は、京極が本気で追いかける数少ない案件であり、それを逆手にとって、うまく交渉のだしに使おうと思い至るスマートさは、並大抵の人間にはできない。

おそらく、キャリーケースの中にいる犬飼はばらばらになっているが、これは九条の事務所に、猛の死体を持ってきたシーンとリフレインする。あのときも、足指がばらばらとデスクや床に落ちていった。さて、使用した拳銃はほぼ確実に、京極の武器庫のものになるので、交渉はまさに、そのあたりが争点になるのかな。

来週も楽しみー。

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