エッセイ

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◆笑顔の咲く場所

わたしは顔に出る表情と心の中で抱く感情がちぐはぐなことが多い。小さい頃から親に「あんたは顔に出ないもんねえ」と言われつづけ、学校でも「何を考えているのかよくわからない」と言われ、今では友人とブラフ系のボードゲームをしていると「きみとやるのは...
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◆グルテンの魅惑、その未来

疲れているとしぜんと間食をしてしまって、内訳はだいたいパンだ。どこにでも売っていて安い。ふだんわたしはパンを食べない。理由は単純で、あんまりすきではないのだ。それでもパンを手にとって一瞬でむさぼってしまうのには、小麦をふんだんに使った食べ物...
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◆鼓動

去年末、周りの音を遮るためにイヤホンを買った。せいぜい地元にいるときは図書館の音が気になるときと、音ゲーをあそぶときくらいしか日の目を見なかったのだが、ひさびさに音を遮りたいタイミングがあってイヤホンをつけた。通勤ラッシュの駅である。先週、...
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◆「はい」と「いいえ」の応酬

ひとつ、むかつくことがある。むかつくということばを使うほどではないのかもしれないけれど、ぱっと浮かんだのがむかつくだったので、許していただきたい。だいぶ前から気になっているのだが、ウェブサイトによって「はい」と「いいえ」の場所が入れ替わって...
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◆万年筆のこと

ふだんづかいの手帳の買い替えを検討しているうちに、万年筆もほしくなってきた。万年筆生活もそろそろ2年半をむかえる。筆記時の軽さや文字の風情、最近ではメンテナンスの手間すらいとおしくなってきている。 今はドイツのLAMY社のものを使っているの...
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◆ものを「つくる」ひと

おしゃべりの練習をしたくなって、よく通っているカレー屋に行った。 ちょうどカレーを食べたい日でもあった。わたしのしごとは人から話を引き出すちからが命運をわける。そもそもおしゃべりが苦手で、まだまだ至らない点が多いので練習しようと思い立ったわ...
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◆自由の余地

公衆電話がすきだ。現代を代表する美徳「小さく軽く」に反した「大きく重くやぼったい」図体は、わたしの幼い頃からぜんぜん変わっていない。その図太さすら、小心者のわたしには輝いてみえる。中でもすきなのはボックスに入ったそれである。あの個室に入ると...
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◆タイ料理屋のむすめ

夏が近づくと、タイ料理をたべたくなる。暑いのに熱いもの。これは毎年ふしぎで、涼しくなってくるとたちまち足が遠のいてしまう。インド料理(ほぼカレー)は年中食べているのに、タイ料理はどうしてそうじゃないんだろう。幸か不幸か、今年はこの時期でもう...
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◆着飾る色

この世にはいろいろな色があるけれど、どういうわけか原色に惹かれる。はっきりしない顔立ちなので、飾る色が強いだけでインパクトが出る。そういうバランスを無意識に考えているからかもしれない。いろいろな色をあわせるとなるとだんぜん、補色がすきだ。絵...
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◆前向きな動機づけ

以前歯医者で「歯は不可逆な体の部位です。現状維持がだいじです。」と言われた。ゲームのように成果が見えづらくモチベーション維持に難儀していたのだが、ここ最近は突破口を見出し、前よりも念入りに歯を磨けている。ポイントは減点式で考えることで、たと...