◆パンクする日

朝起きてパソコンを立ち上げるとき、その日書くことはだいたい決まっている。キーワードがいくつかあって、あとは走る軌跡を見守る。ざっと読み返してちょっとだけ整えて投稿する。ほんとうはもっと推敲する時間がほしいけれど、30分から45分程度の制約をつくってこのエッセイを書いているので、満足いく出来になることはすくない。

継続は力なりとはよくいったもので、最近は頭にひっかかったことをすこしずつふくらませることができるようになってきた。

とはいえ、そう毎日うまくはいかない。仕事で刺激を得られないまま疲れて眠った翌日は、あまりにも脳内が何もなくぱさついて「何を書こうかしら」と悩むことがある。そうしてたいがい、体調のことを書いている気がする。体調は疲れても元気でも、なにかしらの発見があってとっつきやすいのだ。人はそれを逃げという。

今日はその逆で、考えたことや刺激がおおすぎて「何を書こうかしら」と悩んでしまった。きのうはいろいろあった日なのだけれど、わけあって池袋西口の成り立ちを調べに図書館に行ったことをひとつとってみても、かねてから図書館について書きたいことはあるし、普段は縁ない池袋のことを書くこともできるし、土地の成り立ちにフォーカスすることだってできる。さらに想像はふくらんで、創作世界の地図を前々から描いてみたいと思っていることや、地理学に興味を持っていた10年前の思い出を掘り起こすことだってできる。ふだんは気になったことばを手帳にメモするのだが、きのうのページは調べ学習の記録が多く、エッセイの種になるようなメモのしかたはしていなかった。

あくる朝、頭の中は情報で氾濫し、うんうんと唸りながら家事をこなす。けっきょくパンクしたことそれ自体を書くことにおちつき、今にいたる。もう昼である。朝のエッセイとは一体、なんだったのか……。想像力が乏しいのもせつないものだが、次々にイメージがわきあがって収拾がつかないのもこまりものである。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。ちゃんと、6時には目が覚めていたのですよ。つまりここまで、ずっとうんうん唸っていたということです。

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