◆灼熱地獄の入り口

暑い。梅雨を目前にしてこんな暑さがくるとは思いもしなかった。きのうの昼下がりなど、蜃気楼がみえそうだった。今日もきのうと同じくらい暑いという。かんべんしてくれ、まだ5月だぜ?

もともと暑さに弱く、汗もひと一倍かく。気になって嗅いでみると、臭い。制汗剤をつけて着替えてもこんどは制汗剤のにおいが気になってしまう。夏服をふんぱつしないのは、汗のにおいが気になってしまうからだ。毎年Tシャツを買い替える楽しみもうまれるので悪いことばかりではないのだけれど、楽しみがあっても滅入るものは滅入る。暑すぎる。

ここから秋になるまで、家を出るタイミングに気をつけないといけない。昼下がりに出ていく(もしくは戻る)ような自殺行為は回避せねばならない。一度出たらさいご、日が暮れるまでどこかにいる。出ないならとことん出ない。午前中の、気温が上がりきらないうちに腹を決める必要がある。さいわい最近はゲームセンターに図書館、書店、そして友人の家と、近くに選択肢がたくさんある。

とうぜん、家内でも当然暑さのあおりを受ける。影響がもっとも大きいのが料理で、昼ごろに始めるとキッチンは地獄と化す。朝か夜に済ませないとつらいし臭い。これは家事のルーチン化に役立ちそうなので、考えようによっては悪い話ではないのかもしれない……いや、そもそもこんなに暑くなければ考えなくたっていいことだ。やっぱり悪い。唯一いいところがあるとすれば、早起きの難易度ががくっと下がることだ。こうも暑いから。これは冬が逆立ちしても勝てない。ここだけはほんとうにありがたい。でも、それだけだ。

まだ夏の入り口にも立っていないというのに、こころはカサカサになっている。まるで砂漠だ。夏のみずみずしく明るい雰囲気は決してきらいではないけれど、暑さをのりこえてそこに至るまでの体力も気力もない。涼しい場所でぬるい紅茶をのみながら、ゲームや読書やボードゲームに勤しむのでせいいっぱいだ。

……冬が恋しい。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。みなさんもお身体にはお気をつけくださいね。今日も暑そうです。

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