■「どれどれ」と。

小さなお店でゆっくり過ごすことのがすきだ。土地柄なのか、個人店がたくさん並んでいるので、どういうことしているんですかとか、どうしてはじめたんですかとか、他愛もないことをちょっと聞いてみることがある。わたしは「いきつけ」とか「常連」とかそこまで入っていくことはできないのだが、何度も訪れていれば向こうも顔をおぼえる。

職場の近くにすきなおとうふ屋さんがあって、営業時間の関係もあって、そこまで頻繁にはいけないのだが、やりとりの感覚から、たぶん毎回おなじ店員さん(だと思う)で、おそらく向こうも「こいつ見たことあるな」と認知されておられるだろう、くらいの距離感である。

その日は、「あつあげが揚げたてなんですけど、どうですか?」と言われた。だいぶ閉店時間も近いのに!逆に、それくらい売れるのかもしれない。そんな時間でも。普段そんなに営業されないのだが、揚げたてのあつあげなんて、よく考えれば食べたことがない。思わず買ってしまいたかったが、帰るころには揚げたては終わってしまうだろう。素直に、食べたいが、ここから帰らなければならず、遠いことを伝えると、ちいさく切って店脇のカウンターで食べさせてくださった。あたたかい対応!

揚げたては衣がとうふに定着する前の、ぱりぱりとした感触と、とうふのふわふわした感触が一口の中でひろがるのが新鮮だった。厚揚げのポテンシャル。調味料と薬味だけでじゅうぶんおいしい。

お礼を言って帰途についた。すごかったな。と同時に、東京に住んでいるけれども、なんだか言ってみるものだなとも思わされた。

読んでくださり、ありがとうございます。近くにおいしいとうふがあるのは本当にありがたいです。

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