髪を染めてみたい。いままで髪を染めたいと思ったり、実際に染めたことはなかった。というのも、もともとやや茶のかった髪色で、染める必要がなかったのだ。むしろ漆黒にあこがれていて、生まれ持ったきれいな黒をわざわざ茶色くしているひとたちの動機が今でもよくわからないでいる。おまけにわたしの髪は伸びるのが早いらしく、染まっていない部分との境がすぐに出てきてしまって、維持がたいへんそうだというのもある。

しかし最近は、ツーブロックのワンの部分(ようするに上部だ)にビリジアンをポイントで入れてみたいと思う。ポイントならばさり気なくフェードアウトしていくのでぜんぶを染めるより違和はすくないだろう。結局、しごとの都合ビリジアンという色はむずかしいので断念しているけれど、それでも街中ですてきな色がおしゃれに入っているひとをみると、うっとりしてしまう。

先日街を歩いていると、対面から青年が数人むかってきた。そのなかにひとり、ツーブロックの青年がいた。しかもツーブロックのワンが緑色である。たちまちわたしの目は青年の頭をクローズアップした。そのあかしに他の青年のかおかたちを、ツーブロックの青年の顔や服装を、まったく思い出せない。

彼の緑はわたしのあこがれているビリジアンとはちがって、ややパステルじみた緑であった。ポケモンGOでおなじ髪色の設定があり、まさに自分のアバターにセッティングしていたので、現実でもこの色を入れているひとがいるのにおどろいた。すきな色をからだに取り入れているのはほんとうにすてきだ。

おもえば、ほんとうは肌の色だってえらびたい。真っ黄色とか青とか緑とか、そういう色だ。わたしの絵に描くにんげんたちはたいがい、実在していなさそうなからだの色をしている。そこにめいっぱいあらわれるあこがれが、現実のわたしをゆさぶっている。現実問題皮膚をはりかえる費用も勇気もないけれど、ときに原色妄想にひたり、そこでは自由な色であるいている。

現世でつかの間の夢を見せてくれた、顔も名前もしらない青年に感謝したい。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。どうやってああいう色にするのでしょうねぇ。