◆奔放なる空間 デザインフェスタ

先週土曜、真夏のデザインフェスタに行ってきた。同人系の即売会以外でビックサイトに行くのは初めてだったので、会場を包む雰囲気や商品の幅広さに驚いた。大きく感じたことはふたつある。

ひとつは会場全体が寛容な空気に包まれていたこと、もうひとつは市場としてたいへん興味深いということだ。

こう書くと伝わりづらいことは承知だが、自分が週一回通っている精神病院内のアトリエの雰囲気とそっくりだった。各々が作りたいものを作り、最後は合評会で評価(うまい・下手ではなく、その人の表現の仕方のおもしろさや、モティフを選んだ理由なんかを聞いたりして、ゆるめだ)をする。それと同様というか、それ以上にデザインフェスタは自由な作風と幅広い作品が並んでおり、ものづくりの端くれである私もおおいに刺激を受けた。日常の中で暗黙のルールとされているようなことがつまらないことだというのも再確認し、もっと人は自由に自己表現をしてもいいような気がした。であるからして、結構攻めの姿勢をとった服装を選んで購入してしまった。本来自分が表現したい自己とはなんなのか?そういったことを考えるよいきっかけになった。性格的にも周りの目が気になってしまう質だったが、あまり気にしすぎない自己を手に入れられたら嬉しい。

次はデザインフェスタを市場として(購買者として)見てみると、大量生産の既成品を買うよりおもしろいのではないかと思った。人とかぶりづらいというのがまず魅力的だ。流行に乗ってみんなと同じものを身に着けるのは、なんだかあんまりおもしろくない。また出展側の方と話していると、多くの参加者はデザインフェスタで売るものを生業にしてやっている、というわけではなさそうだった。購入することで出展側のモチベーションにもなるし、運がよければ副業としてのポジションを高めることができるかもしれない。値段の付け方はサークルごとに違うので、黒字が出るようにやっているかは不明だが……仮に黒字にならなかったとしても、ひとつの世界観を作り出しているクリエイターを応援できるというだけで価値がある。作り手の一人として、やはり世界観を評価されたり、応援してもらえるのは素直にうれしい。

最後に自分が余力のなさ、疲れを理由にふだん創作活動に時間を割けていないことを反省する機会にもなった。実は友人が出展するというのでデザインフェスタに赴いたのだが、激務の友人は「まぁ疲れるけど~楽しいからできちゃうんだよね。」と笑いながら話していた。たまたまデザインフェスタ初日から文章書きを再開したが、モチベーションの根底に彼の言葉が宿っていることは否定しきれない。

また開催の折は参加したいし、ものづくりがすきな方を巻き込んで遊びに行きたいところだった。具体的な形として作れる技があれば、出展するのもおもしろそうだな~と感じた。

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