タイトルは沖縄の方言で、時間は一瞬だから大事にしなさいといった意味合いだそうだ。著者の琉球大学に通われているという。なにかの賞をとられたときにどこかで目にして、「沖縄で生まれ育ったからこそ書かなければいけないと思った」となにかのインタビューにあり、読んでみようかと思ったところ、受賞作品は図書館の予約がすさまじいことになっており、ひとつ前の作品を借りてみた。
現代に生きる子どものセクションと、戦時中・戦後の軍人や男娼、女性のセクションとが文章の途中でスイッチしながらお話が進んでいく。読んでいくと、現代と過去との人のつながりがうっすら見受けられたり、社会における人のありかたや価値観のコントラストがまぶしくもなってくる。そしてここで生まれ育ったという人にとって、この歴史は自身のルーツでもある。とくに、最初に語りが始まる小学生のセクションは、最終的に「あ、この人の子孫になるのかな」と考えながらすすみ、歴史をうけつぐ、今を生きるとはこういうことだよなということを思わされる。それは沖縄に生きるということに限らず、日本であるとか東京であるとか、誰しも持ちうるものになるとは思われるのだが、どうもそういったことが現代は軽視される風潮はあるような気がしていて、自分だけがよければよいとか、今がよければよいとか、そういった短期的な視点ばかりが語られやすいような気が、する。人文学の復権とまではいわないまでも、その必要性にはたと気づくことのできる一冊になるんじゃあないかという期待を抱いた。
読んでくださり、ありがとうございます。新しい方は次の本買うタイミングで買おうと思います。
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