レム睡眠に必須な遺伝子を発見 -睡眠はどこまで削れるか-
レム睡眠をほとんど取らないラットを作ることができた、という。ゆくゆくは睡眠障害の治療や、もっと日中活動をしたい人へのサプリメント開発に役立ちそうだ。
きのう睡眠のことを書いたが、今日は少し続きを書こうと思っていたのでたいへんタイムリーだった。
抑うつ状態が重かったとき、入眠できない・入眠してもすぐ覚醒してしまう(だいたい1,2時間で、ひどいときは20分のときもあった)ということが恒常的に起きた。睡眠薬を入れても効果はいまいちで、起き上がる気力すら沸かないなか、睡眠で時間が潰れないのはたいへん苦痛だった。目を閉じても眠れないのでしかたなく開いてみれば、家の天井の木目がゆらゆらと動き、木目の隙間からおそろしい顔が浮かび上がってくる。自分の方へ迫ってくる心地がして目を閉じれば、目に焼き付いた木目の波が脳裏で再生されてしまう。
この研究が当時進んでいたならどうなっていたのだろう、と思う。ポイントは「レム睡眠が記憶を定着させる時間である」ということだ。実験によると、レム睡眠がほとんど検出されなかったマウスは「体は小さく、学習能力も劣るが、生きるのに支障のない程度であった。」そうだ。ろくでもない眠りと覚醒が反復する日々はそれこそ、睡眠がままならない記憶の蓄積によって起こるものだったかもしれない。レム睡眠をほとんど取らずに済んでいたのなら、入眠の苦しさや中途覚醒のつらさも忘れて朝を(げんみつには、起床時間は日によってばらつきがあったので「朝」ではないのだけれど)迎えていた……かもしれない。
症状が寛解し睡眠環境が整ってきた今でも、夢見はあまりよくない。だいたいそのとき直面している期限に追い詰められているか、支離滅裂な内容である。これ以上ショートスリーパーになっても1日を活発に過ごす体力はないのだけれど、夢を見なくていい時間を設けられるならばぜひとも試してみたい所存である。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。これを人間に適用させていくときに、学習能力低下の部分がネックになりそうな気はいたしますね。
コメント