◆イノセント・マッスル

筋トレ生活もことしで3年くらいになる。減量目的のコアトレーニングから始まり、負荷をかけて鍛えていくNHKの「筋肉体操②」までたどり着いた。非常にゆるく続けているために年数に対して成果はすくないけれど、それでもおなかがぽこんと出ない、肋骨がきれいに浮き上がっている、足の筋肉がついた等、からだのいろいろなところが変わった。これからも、ほどよい負荷で続けていきたいと思っている。

ところで「筋肉体操」を教えてくれたのは同居人である。わたしが横でコアトレーニングをしているときに「なんかすごいのがあるw」と動画を見せてくれたのがはじまりだ。そんなこんなでいっしょに筋トレをすることになったのだけれど、同居人とわたしでは体格がちがう。「筋肉体操」の負荷では物足りないのか、最近さらに厳しいトレーニングに手を出しはじめた。手引きによると「1日3セット」だそうで、苦手なはずの朝にきちんと起きて1セットこなしている。さらには食事を調べてみたり、DDR(ゲームセンターに設置してあるダンスゲーム。全身を使うことから、ダイエット効果が高い。)をして帰ってきたりと、その気合いはどうやらほんもののようだ。

わたしは老若男女問わず引き締まったからだがすきで、とくに太ももから足首にかけての造形に目がない。同居人が筋トレを始めてくれたことはわたしの欲求を満たすという意味で、とてもありがたかった。しかし、同居人はまったく上昇志向の人間ではないので、そこからさらなる高みを目指そうとはみじんも思わなかった。

「そこまで君を駆り立てている動機はなんなの?」

いちど聞いてみたことがある。返ってきたことばを聞いて驚いたものの、ちょっと考ればもっとも同居人の「同居人らしさ」を表していることばだった。

「とくにないよ。他にやることがないから。」

同居人はBeatmaniaがすきだ。移動時間はひたすら動画を見、時間があれば鍵盤を叩く。ゲームセンターに行けば、こちらから声をかけないとずっと遊んでいられるような輩だ。しかし、四六時中Beatmaniaというわけにもいかない。生活のなかに空白が浮遊する。だから筋トレに空白をにとじこめた。それだけなのだ。モテたいとか痩せたいとかきれいな体を目指したいとか、そういう動機はないという。

「他にやることがないから。」

それ以上でもそれ以下でもない、シンプルな答え。へんに飾り立てない純朴さが、同居人そのひとなのだろう。わたしにはとうてい理解できないこのふしぎないきものが、おもしろくってしかたがない。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。食事関連は自炊によい影響を与えてくれそうなので、まとまってきたら書きたいと思います。

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