いろいろあって職場の環境がかわり、平日、自分の意向で時間の都合をつけづらくなった。これまで、だいすきなカレー屋さんや整体、友人との予定を泣く泣くキャンセルすることがあったが、中でも、アラビア書道に通うタイミングが続けて潰されてしまうことがあったとき、何かが砕けたような感覚があった。「あ、無理だ」という、めらめらした思いが、即刻、もうれつにわきあがったのである。
感情的というほかない、このときのことを思い返してみた。これまでは残業等で予定が潰れてしまっても「いやだなーいつか辞めたいわ」くらいの切れ目のない感覚で、どこか「自分で選んでいるし、しょうがないんだろうな」という諦めすらあったが、この一瞬は明確にラインを超えられた感じがあった。今まではフワーッと侵食されており、音もなく、目の前も靄がかかったようなイメージなのだが、今回は提示された途端、薄氷の張る湖の上をスパイクで踏まれたような「しゃきっ」という音がしたのだ。このままだと心身共に砕けてしまう、と思ったのだろう。
以前、自分の中で死守したいラインの話も書いたが、この頃は、しごとのバランス自体をどうするかはこわくて言及できていなかった。他方、今回は明確に自分と仕事との間に線を引くこととなり、距離をとりやすくなったように思う。それだけ大きなことだったのだと思うが、習い事じたいの歴史は半年足らずとひどく浅いものの、何がそんなに自分の琴線にふれたのだろう。
ただ、そのおかげでしっかりと「去る」決意が明確になり、今後の働き方や過ごし方のイメージが具体的になってくれたので、時に侵食されることも悪いことばかりではないのかもしれない。
読んでくださり、ありがとうございます。ジョジョにもたしか、触れちゃいけないところに触れたときにバチギレするシーンがあったような気がするのですが、いまいち思い出せずかゆみがあります。

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