秋に少し有給をとって、ほんとうは旅行に行く予定だったのだが、しごとを辞めることも現実的に考えていたのでキャンセルして、できていない用事をこなす日々として組み立てた。なかでも大掃除というか、今の家に引っ越してからきちんと物品の整理をしてこなかったので、環境が変わることを想定して取り組んでいった。
今の会社に入って6年目、台所から本が出てきたり、押し入れに積んである書類のほとんどがいらなかったりした。前の職場での書類や、通っていたボランティア先の冊子がたくさん出てきた。他にもいろいろなものがあった。
やっていくなかで、自分が存在した場所やそこでのできごとが気づけばひどく堆積していたように思う。今という日々をやっていくのには振り返ってあれこれ考えている余裕はなく、忘れていた方が効率はいい。いざ片付けに手をつけると、蓋をしていた時間がふたたび動き出すような感じがあり、当時足しげく通って人とかかわった日々や、前の職場での思うところを悶々としながら今の会社に行くきっかけになったできごとについても思い出して少し手が止まる。
どちらの時間がよいのかというと、人によって違う答えが出ることと思う。ここで考えたのは、一旦これらの時間を捨て、今の時間軸を選んだことについて、今、改めてどう判断するかということだ。職場を変えたことは間違いなくよくて、臨床についても、事業を育てることについても、大幅にスキルアップすることができた。一方で、そこで失われる時間的・体力的代償もそこそこにあり、適切なサイズダウンを考えること、新たにやりたいことも出てきたことから、先日辞める方向でお話をしたところではあるが、今後の時間についてどれを連れていって、どれは蓋をしてとっておいて、どれは捨てておいてもよいのか。やったことがないことをこれから始めるので、一旦とっておいて、やりながら片付けていく感じでもいいのかなと。
先々のことを思うと、結婚するかいまのところは怪しく、身寄りのないまま朽ちていく可能性もそれなりにあるので、もうちょっと物の気配は消していってもいいかもしれないなーという気持ちで終えた。
読んでくださり、ありがとうございます。場所的なノスタルジーもありますが時間的なノスタルジーもありますよね。

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