ともだちがクラウドファンディングを募ってつくったビデオゲーム専門のゲームセンター「WILL」が、ついにオープンした。初日になんとしても拝みたかったので、急遽午後に有給をとった。そのことを話すと彼は笑っていた。まったく、笑いごとではないというのに。

風が冷たいがなんのその、わたしの青春はゲーセンにあった。むかし彼が勤務していたゲーセンがあり、そこで血の滲むような努力をしていてくれたからこそ、青春の舞台は保たれていた。じつに中学のなかばから大学のおしまいのころまで、アイデンティティ形成には大切な時期だ。学校の思い出はやたらとさぼったことしか思い出せないが、ゲーセンであったいろいろは次々と出てくる。その大半は、いたましい。今や笑って流せるものもあるが、笑えないものも多い。今でもこれは課題なのだけれど、当時は今以上に、ひととの距離をうまく取れないことが災いしていた。ほんとうにひどかった。こういうふうに書いていると、どんどん思い出されるので、よそう。書きたいことはこっちではない。

風にさからいながら、そのゲーセンが閉店したときのことを思い出していた。閉店日当日、わたしは顔を出せなかった。その年(2012年)は春ごろからもうれつに病んでいて、常連からの「来ないの?」というメールにもそっけなく返していた。「無理。行けない。」以外のことばが出てこなかった。いざ閉まってから、行かなかったことをひどく後悔した。最期の姿を拝んでおけばよかったと、おりにふれて頭のなかをよぎった。

そんなことがあったので、クラウドファンディングの告知を見たとき、新しい店ができた暁には最初の姿を拝みたいと思っていた。

7年の時を経てその勇姿を拝み、ようやく気持ちが安らいだ気がした。それも思い入れの深い立川という場所でかなうとは、なんたる幸せものだろう。この町にまたひとつ、わたしを留めておく錨がおりてしまった。

ひとつ問題があるとすれば、わたしがWILLであそぶゲームが、不定期稼働の、格ゲー筐体のポップンミュージック14しかないことだろうか……。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。すきです、立川。