◆腓腹は修練す

ヒールがすきだ。それも、えげつなく尖って高さのあるものだと尚良い。ホルモンバランス上どうしても丸みを帯びがちな女性に暴力的なヒールがくっついている姿は、コントラストが効いていてかっこいい。男性のヒールは日本にいると見かけないものだが、がっちりとしたシルエットに鋭利なアクセントがつくと、メリハリが出る。
いつもヒールを履くひとのふくらはぎは無駄なく引き締まっており、美しいカーブが描かれる。すてきな姿だ。ひとが前を歩いているとき、ふくらはぎからアキレス腱にかけてのラインを見てしまう。


いざ自分がやろうとなると事態は一転、現実は非情である。わたしの足首は人よりゆるく、ピンヒールはいともたやすく足を捻挫させてしまう。体質ばかりはしかたがないので、泣く泣く地面にしっかり着く形状のヒールを選ぶ。
仕事ではヒールを履けないので、出番は休日だけだ。普段履きなれないものだから、ヒールでたくさん歩いて帰ってくると、ふくらはぎが筋肉痛になる。はじめはつらかったが、筋トレを始めてから考え方が変わってきた。
「筋肉痛がたやすく出るのは、その部分がまだ鍛えられていないという証拠である。筋肉痛が出なくなったとき、もう少し多く歩くようにすればいい。さすれば自らのふくらはぎに筋肉がつき、引き締まっていくであろう。」
筋トレの神が舞い降り、このように仰って去っていったのだった……というのはあとづけの妄想だが、とにかくそういった気づきがあった。それ以来ヒールを履くことによる筋肉痛は、理想の形に近づくための鍛錬へと姿を変えた。いわば潜在的筋トレである。

ここまで書いてみて、いきつくところが理想の肉体に向けた修行だと気付く。なにげなくこなしていることをいざ分析すると、大半が業務効率化か、理想の肉体に向けたトレーニングのいずれかにあたることに気付く。あまりにもぶれていないので、我ながら感心する。自分がここまで一貫したテーマをもってものごとに取り組んでいると思っていなかったのだ。
決して「ドラゴンボール」の孫悟空のような修行大好きキャラではないつもりだが、一体いつからこうなっちまったんだ?
今日も読んでくださり、ありがとうございます。どちらかというとベジータがすきです。

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