◆無知は罪

台風一過の朝、まるで「台風なんてきていませんよ。」と言わんばかりに鳥や虫たちはさえずっている。昼間には30℃を超えるという。再び、残暑がやってくる。


しかし台風といってもあまりぴんとこないのが正直なところだ。というのも東京は異様に台風が逸れるので、いまいち台風の猛威というものがわからない。ニュース等で見る台風の程度は、どうも経験知とのずれがある。そんなことだから朝の時点で空の調子を見て、自転車通勤をすることに決めた。なにせはじめての自転車通勤なので、どの程度までなら通勤できるのかどうかがわからなかったのだ。雨風で怖気づいていては一年のうち100日くらいは乗れなくなってしまうといった、不要な気概すら示していた。
行きは雨天の日と変わらず無傷であった。事が起きたのはとうぜん、こちらに台風が接近しはじめる帰りの時間である。雨はなかったものの、風が強い。平坦な通勤路ではあるが、風向きによっては全く漕がなくても進行方向を高速で滑っていったり、漕いでも逆風に圧されてしまったりと、進みにムラができる。これまで日常的に自転車を使ってこなかったので、荒天時にこんなにも不甲斐ない動きを見せるとは思いもよらなかった。
それより恐ろしかったのは風でいろいろなものが飛び去ることだった。大きなポスターや木の枝がびゅんびゅん飛び交っていた。身の危険を感じるには十分すぎた。
「川の様子を見に行ってくる。」と言い残して、それから行方知れずになる方がおられる。今日のわたしはまさに、川の様子を見に行ってきた人に置き換えても相違ない。こんな浅薄な事柄でこのことばを用いるのも気が引けるが「無知は罪」だ。わたしはほんとうにギリシャ哲学を修めたのだろうか。自業自得ながら、知と行動の伴わなさに愕然としてしまう。もう少し気を引き締めて生きねば、勉学の意味がない。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。今後台風が「非常に強い」ときは徒歩と電車か、タクシーで通勤することにします。

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