友の会に入った話を以前書いたが、早速みんぱく(国立民俗学博物館)で行われた友の会講演会で「『アイヌ通史』にみるアイヌ史研究の課題と展望」をリモートで聴講してみた。いいですね。Youtubeのメンバーシップの限定動画をみるのはこういう感じなのかな。
内容については割愛するが、最も大きな論点とし感じたのは、少数民族、もしくは滅びゆく民族といわれる人々の歴史を知ったうえで、今後どう主体的なアイデンティティを取り戻していけるのか、というところだったように思う。それは少数民族のみならず、社会的マイノリティとされる人々にも適用しうるのではないか、というようなことを、途中から考えていた。実際、障害や高齢、難病によって人生を既存のやり方で進めていくことが難しくなった人々と関わるなかで、そんなことを思う。支援のしごとは、そのうえで、今後生きていくことを少しでも前向きにしていくことがひとつの側面としてある。ただ、アイヌのように民族を扱うとなると、人生の中途ではなく、生まれた頃よりその境遇及び紡がれた歴史がアイデンティティとして強く根付いているのが大きく異なっており、また、いまだに「かわいそうなひとびと」と外部から意味付けされることに辟易としている、という話も講義の中にあった。
いずれにしても、少数といわれる人々の歴史、今ならびに今後のあり方を振り返り、考えていくことは、その対象のみならず、扱う人々の国民性、もっといえば人間観そのものを結果的に浮き彫りにするだろう。そのうえで世界全体における共存とは何か考えていくこと自体が、みんぱくのもつミッションなのかなーと感じられる講義だった。
読んでくださり、ありがとうございます。テーマは難しいものでしたが、また機会をつくって参加したいなと。
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