エッセイ

エッセイ

◆【ユル募】起爆剤求ム

長らく体のある部分のことで、こまっている。「鼻が低い」とか「色が白い」とかいう、いわゆるコンプレックスではない。そのパーツは歯である。体のぶぶんでもっとも固く、毛や爪のように生え変わることのない、一生もののパーツ。その、歯磨きのモチベーショ...
エッセイ

◆半年をむかえて

このエッセイをはじめて半年が過ぎた。おおきな事故もなく続けてこられたこと、読んでくださるひとから感想をいただけたこと、どちらも文章を書いてこなかったら味わえなかったことだ。とくに読んでくださるひとが思いのほかいてくれたことが、おおきな衝撃だ...
エッセイ

◆文字の鎖、ことばの地獄

月にいっぺん、同人サークルの当番が回ってくる。わたしは主に小説を連載しており、そろそろ折り返しといったところまできた。小説はすべて、同じ星のなかで起きている話だ。ときどき昔のを引っ張り出して新作のイメージづくりをしたり、頭のなかにある年表を...
エッセイ

◆にんじんのきもち

この二週間、にんじんを探していた。きりぼしだいこんや紅白生酢など、にんじんがあると映えるレシピを作ろうとしていたのだ。しかし、行く先々で陳列されているのはにんじん以外のものばかり。あれだけ売っていたにんじんたちが、いない。思えばにんじんは冬...
エッセイ

◆革命の刻

わたしの遊ぶゲームはともだちのつくったゲーセン「WILL」の奥にある、古今東西の音楽ゲームを蒐集した「World Game Circus(通称WGC)」に置いてある。Beatmania2DXの旧作があって、最新作では既に削除されてしまった曲...
エッセイ

◆7年の時をこえて

ともだちがクラウドファンディングを募ってつくったビデオゲーム専門のゲームセンター「WILL」が、ついにオープンした。初日になんとしても拝みたかったので、急遽午後に有給をとった。そのことを話すと彼は笑っていた。まったく、笑いごとではないという...
エッセイ

◆短編の弱点

秋の終わりから、1日1つ短編を読むようにしている。暦の上では春が近づいて、そろそろ90日くらい経つのかしら?ちかごろは「習慣づけたし読もうかな」という義務的なかんじから「読みたい!」というふうに熱が上がって自発的に読むようになった。ほんとう...
エッセイ

◆もうひとつの軸②

きのうの続き。どうあがいても1回で終わる内容ではなかった。混沌きわまる学生を終えたあとも服装はやや迷走していた。混沌の余韻からか、ほんとうにしたい格好がよくわからなくなっていたのだった。他方で音ゲーは迷いなく続けた。自分でいうのも恐縮だが、...
エッセイ

◆もうひとつの軸①

むかしから、かっこよくなりたかった。物心ついて間もないころのあこがれはキュートな変身ヒロインではなく、ヒーロー戦隊だった。圧倒的な力をもって敵を爆破させる合体ロボットのコックピットに乗ってみたい、そんなことを思いながら日曜の朝を過ごしていた...
エッセイ

◆こじつけの剣と髪の盾

気がつくとだいぶ、髪が伸びていた。思えば前回の散髪は11月のあたま、隔月で髪を切る自分にとって3ヶ月は長い。鞍替えした美容院が火事にあって休止中の間、どうしようか考えあぐねていたら、あっという間に時間が流れていた。けっきょくもと行っていたと...