エッセイ

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◆なくしもののプロ

自分でも信じられないのだが、わたしは大事なものをやたらと紛失してしまう。最終的には発見されることが多いので、げんみつには紛失ではなく迷子のほうが適当かもしれないが、とにかくどこかへやってしまうのだ。キャッシュカードと振り込む前の現金は常習犯...
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◆小田原・沼津18きっぷの旅

意外と思われるかもしれないが、旅行がすきだ。旅行先がすてきな場所だということはもちろん、東京という、人の密集した場所を一時的でも離れられることも魅力的だ。一人のときは交通機関の制約があるものの、複数人ならば電車の恐怖も軽減される。そのくせ一...
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◆ふくやのめんたいこのこと

今日こそふくやのめんたいこの話。「ふくや」は、日本ではじめて辛子明太子をつくった老舗の会社である。《公式》お歳暮に本場博多の創業メーカー【味の明太子ふくや】よいお味なのはもちろん、わたしがふくやに好感をもっているのは、当時その製法を自分たち...
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◆6時間の壁

今日はふくやの(ふくやの、というのがポイントである)めんたいこの話を書こうと思ったのだが、それよりびっくりすることが起きたので今度にすることにした。なんと昨晩、7時間もつづけてねむったのである。「7時間くらいでおおげさだなぁ。」と思われるか...
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◆手本を絞る

仕事柄、人にものごとのやりかたを伝えたり、行動に対するフィードバックを返す機会が多い。それも、幅広い年代のひとが相手だ。アラサーの若造にあれこれと言われるシチュエーションというのも相手にとってストレスフルだろうなぁと思いつつ「今のはこういう...
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◆順序の乱れたあと

きのうの続き。友人の家は相変わらず、エアコンがきいたデパートのようだった。暑い日はいつもそうだ。平日の昼下がりは多くのひとが勤めているはずの時間なので、車も人も通らない。前に来たときより蔵書がぐんと増えており、ベッドは神保町の古本市のように...
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◆順序の乱れる日

ものごとの順序は大事である。あらかじめ決めた順序にしたがって行動することは、設計図どおりにロボットを組み立てることに似ている。そのことが達成感になるし、安心にもなる。それは日々のルーチンワークに限らず、休みの日の過ごし方でも同じだ。「なにか...
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◆留守のあとで

先週の記事どおり、今週はスマホを家に置いて出勤してみた。結論からいうと、特に困らなかった。そのとき見なければいけないような内容は来なかったし、すきますきまでメール等を見る時間がなくてもストレスにならない。それどころか、通信から自由でいられる...
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◆通勤路のこと

自転車通勤をはじめて、もうすぐ1ヶ月になる。豊かな自然にめぐまれた通勤路は、電線の上に鳩がとまっているときはちょっと怖いけれど、そうでない日は何度通ってもすがすがしい。10年選手になる自転車は浅い段差を上り下りするたびにタイヤがポンポンいう...
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◆無知は罪

台風一過の朝、まるで「台風なんてきていませんよ。」と言わんばかりに鳥や虫たちはさえずっている。昼間には30℃を超えるという。再び、残暑がやってくる。しかし台風といってもあまりぴんとこないのが正直なところだ。というのも東京は異様に台風が逸れる...