◆つめたい通勤路

きのうに引き続き寒さをさきどりしたタイトルで、冬を苦手とする方にはひじょうに申し訳ない。冬の入口でこんなに「氷」とか「つめたい」とかいうことばから出発していたら、ほんとうに寒くなる1月あたり、一体どこにたどり着くのだろう。
夏からはじめた自転車通勤だが、思いのほか続いている。「雨の日くらいは電車に乗るだろうな」と思っていたが、いざ雨が降ってみると雨の日特有の電車の匂いが苦手なことを思い出す。緊張感に満ちた通勤電車、水はけの悪い床に滴り落ちる傘のしずく、即座に閉め切られてこもる空気、今の季節特有の過剰な暖房。暖かい空気は上にのぼる性質があるから、暖房が不快なものをすべてまとめて、電車内をいっぱいにしてしまう。想像するだけで電車に乗る気がうせる。そういうわけなので、雨の日もすべて自転車で通勤している。夏は今年のすさまじい暑さの中なんとかなったので、きびしい冬を乗り切れば一年中自転車で通勤できそうである。ステージクリアまであと少しだ。
さて、この季節はいよいよ鋭い風が顔をたたいてくる。速く走れば走るほど、たたく力も強くなる。きっとオープンカーに乗っているひとは、地上で過ごす者のうちでもっとも早く冬の気配を肌で感じている。時速が速いので、たたく力も自転車乗りの比ではない。とてもいたそうである。オープンカーに乗るのは、半端者にはむりな所業である。
そう、自転車通勤の話だった。冬が深まると風の鋭さは増していく。今は素手で乗り切っているけれど「絶対に手袋はあったほうがいい」と言われているし、髪が短いのでぼうしもあったほうがいいかもしれない。耳も守ったほうがいいかもしれない。頭の中で増えていく小物たちに辟易してしまう。なにせ、わたしは小物をどんどんなくしてしまうのだ。冬が本気を出す前に、小物をなくさず、かつ自転車で快適に通うための「そうび」を授からなければならない。何かこう、顔と首と頭を守れて、暖かく、絶対になくさないようなものがあればぜひともお目にかかりたい所存である。今わたしが求めるのは、RPGでいうところの「でんせつのつるぎ」だ。それをしっかりと備え、まずは冬の第一形態(要するに、冬の入り口である)を乗り切りたい。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。装備をなくす勇者では恰好がつきませんけれどもね。

コメント

  1. […] だいぶ走りやすくなってきた。冬の入口に「 きびしい冬を乗り切れば一年中自転車で通勤できそうである。ステージクリアまであと少しだ。 」と書いていたので、無事クリアできたこと […]

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