◆甘美なる筋肉痛

スクワットを始めて二年半が経つ。一日15回と決して多くはない回数を続けた結果、最大時54kg(実際書いてみてたいへん恐ろしい。なぜここまで増加してしまったのか?)あった体重は48.5~9.5kgの範囲におさまってきた。数値的な理想は素数の47kgなのだが、わたしの負荷のかけ方ではもう少しかかりそうだ。

それより気になっているのが上半身と下半身のバランスである。上半身は腹筋がいい感じに育ち、つまめる肉はほとんどない。もう少し腹筋がくっきりと割れれば御の字である。それに比べて下半身。開始時よりはすっきりしてきたものの、そもそも骨盤が張った体型なので臀部の肉の存在感が大きく、人より足が短いのでちょっと引き締まった程度では実りが少ない。
現状を見かねて、先週の頭からスクワットを10回に減らし、プランク60秒を追加した。参考動画はこちら。腹筋を割る目的ではないが、説明が丁寧でわかりやすかったのでこちらを採用した。


最初の三日間は連続で持たなかったが、木曜日くらいからしっかりできるようになってきた。そして昨日、太ももや二の腕をゆるやかな筋肉痛が襲った。久しぶりの筋肉痛にほくそ笑む。体が作り変えられるときの筋肉痛ほど、愉しみなものはない。これを経て更に自分の肉体が理想的な形になっていくと思うと、恍惚に浸ってしまうのだ。好きなものは多々あれど、この快楽ばかりは何物にも代えがたい。脳内オキシトシン一色である。そういえば、筋トレを始めてからストレスに鈍感になったような気がする。発散されているのか、そもそも溜まりづらくなったのか……何にせよ、健やかに暮らしたい自分にとっては大変ありがたい副産物だ。

「トレーニングの先にいる自分を見てみたい。」さながらコーチのような発言であるが、そうとしか言えないし、心が躍ってしまう。入力と成果を繋ぐこの筋肉痛は、やったことのある者にしか味わえない禁断の果実なのかもしれない。来年、再来年の変化が楽しみである。細くなるといいなぁ。




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