いつもと同じように、家に帰る道を歩いていた。ひとつだけちがったのは、時間が早かったことだ。16時ごろ。この季節なら、まだ日は高い。

小学生とおぼしき少年少女が4人、戸建ての前のスペースで遊んでいた。バスケットボールを持つ少年、チョークを持つ少女、座って何かをしている二人組、一体何をしていたのかはよくわからないが、通り過ぎようとした途端、ひとりがスマートフォンを仲間内にかざし、いわゆるセルフィー(自撮り)をはじめたのか……と思いきや、そうではなかった。それぞれがスマートフォンに向かって名乗り始めたのだ。

「Aです、Bです、Cです、Dです。○○チャンネルです!」

代表?の少女が言うと、3人は「イエーイ!」と無邪気な声で盛り上げる。なるほどyoutuberの配信を真似ているのか。もしくは本当に配信しているのか。youtubeの影響力の強さを垣間見て、家に帰った。

ある調査によれば、小学生の「将来の夢」のなかにはyoutuberがランクインしているという。デジタルネイティブにとってテレビはもはや「二番手以下のメディア」だ。番組は主たる視聴者たちの高齢化を受けて健康関連のものがどっと増えたというし、そうなるのも自然である。「突拍子もない」とか「この先食っていけないぞ」とか大人は言いがちだけれど、自分たちがほんとうに小さな子どもだったころ、抱いていた夢を思い出してみてほしい。

わたしは表向き「ケーキ屋さん」と書いていたけれど、別にやりたくなかった。数人が書いていて無難そうだっただけで、ほんとうは変身もののヒーローになりたかった。役者になりたいのではなく、作中で演じているヒーローそのものに、だ。これは朝見ていた特撮やアニメがおおいに影響していて、暇さえあればごっこ遊びと空想をしていた。夜ふとんに入ったときに空想の世界をひとりで演じることもあった。傍から見るとうわごとを言っているだけで、だいぶあやしいのだが。

子どもは時代背景や流行をダイレクトに映す。年を重ねるにつれていろいろなことを知り、時にあきらめてきた大人にとって、youtuberはたしかに突拍子もなく、情報漏洩のリスクや将来性もある職だ。しかし、人はつねに前時代の反動を受けながら歴史をつくってきた。今回のyoutube旋風も、やみくもに止めようとするよりは、ひとつの時代の動きとして尊重する姿勢のあったほうが、おもしろい世の中ができあがっていくような気がしてならない。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。こんなことを書きつつ、じぶんの子どものころにyoutubeがなくてよかったなと思うのは、わたしという子どもがじつに時代の影響を受けやすい鏡であったことの証左でしょう。