我が家はまいにち自炊をするのが当然のようになっているが、それはおおきな誤算である。信じてもらえないかもしれないが、そんなつもりはないのだ、今でも。

そもそも同居人と住むことになってすぐに「平日の1日くらいはやらない日を作ったほうがいい気がする。」「それがいいよ。毎日やると疲れちゃうよ。」というやりとりをしたのであった。しかし、外食の予定がないときにうまくいった試しがない。家にいると、作ってしまう。機械のようにしぜんと。それでいて半年おきくらいに「1日くらい自炊、さぼったほうがいいよね。」「そうだね。最初に言ってたしね。」とか「さいきん、休日も片方作らないっていいながら土日ともごはん作ってるね。」「うん、そうだね。」とかいう会話を行っている。

まるで成長していない。

「なにもしない時間を設けたほうがよい」と友人や主治医から言われているいま、三年前に反故になったこの口約束が復活する好機ではないだろうか。新年度で、定休も変わったばかりで、ルーティンの組み換えを図るならいましかない。

わたしの定休は金・土・日なので、フルタイムの人にとっての金曜のテンションが木曜にくる。古い言い方をしたら「花木」だ。むだに華やかな字面のこの日、自炊をやらないことにしてみた。開放感いっぱいでタイムカードを切ったならそのままどこかに行ってもいいし、家でジャンクフードをキメても、オーガニックなお惣菜を買って食べてもいいのだ。そういうことにする。脳内にいる「ぼくなるわたし」が現実のわたしの両肩をつかみ、じいっと見つめながら言った。

「木曜はつくらない。たとえつくりたくても、金曜までがまんするんだ。きちんと守って。ぼくは脳の裏側で、見守っているからね。 どうしても無理そうなら、ぼくはあまり賢いやり方だとは思わないけれど……「おしゃけブレーキ」だって構わない。とにかく、作らないようにするんだよ、いいね。それじゃあ……愛しているよ。 」

読んでくださり、ありがとうございます。脳内に「ぼくなるわたし」が同居しておりまして、理性のぶぶんでしょうね。しかし、力が弱い。