前回の記事を書いたあと、ずんずん奥へ考えてしまった。思いのほか奥までいったので、朝のエッセイのボリュームではなくなってしまった。今回は万年筆の書き心地がいいことを前提条件としたうえで話を進めていく。

ぜったいにゆずれないのはその開き方だ。どのページをひらいても180度ぱっくりと割れるのがいい。たわんでいると書きづらいし、開いたとき引っかかるときもちが下がる。3年間ほぼ日手帳を使っていたので気がつかなかったのだが、店に並ぶノートを開いてみると180度開くものはすくない。そういう意味ではリングノートも候補にあがったが、どうしてもリングノートは捨てるときの手間が頭をよぎってしまうので、優先度はひくい。

もうひとつの条件としては、無地がいい。おなじページで縦書きと横書きを併用するので、横罫は絶対にだめだ。今使っているノートには方眼罫がついているのだが、方眼罫があると文字を方眼の大きさに合わせて書いてしまって、のびのびできない。それに、絵にとっても罫はお邪魔者だ。

そしてできれば、紙はくすんだ色がいい。クリーム色とかセピアとか、そういう色だ。これはコピー用紙に印刷された文書を読んでいると感じるのだが、あまりにも白い地は目が疲れる。よくある白地に黒文字の文書などは、じつは最悪最低だ。そういうこともあって(?)当サイトの文字色はちょっとグレーに寄せている。背景はどうだったかな、忘れてしまった。

以上の3つが絶対条件だ。以下はまだ定まらない条件たちで、ここからが長い。

ひとつは書き心地だ。今はほぼ日手帳とMDノートを使っているのだが、両者の書き味はまったく異なる。紙について調べてみると最も万年筆のインクの出がなめらかな「ぬるぬる」から、その引っかかりが心地よい「さらさら」まで、紙質を分類できるという。これは書き手によって表現の仕方や分類にズレがあるのだが、わたし個人としてはぬるぬるを1、かりかりを10とすると、ほぼ日手帳が3、MDノートが6くらいな気がする。使っている期間のちがいもあるのか、今の所ほぼ日手帳の方が書きやすい。ただMDノートも決して悪いというわけではなく、むしろこういった味の違いを楽しむのも万年筆のおもしろさのように思う。

ある日、紙への書き心地を知りたくなって街の文房具屋をすべて周り、万年筆向けのノートを試し書きしてみたのだが、紙ごとにまったく異なる性格をしていた。なかでも気に入ったのは株式会社アピカさんから出ている「紳士なノート」だった(上の書き心地でいうと4くらい)。クリーム色の用紙もあるのだが、実店舗に置いていることは少ないという。そっちを見てみたかったなあ……。

あとは国産であること。自分がこだわりたいものを探すとき、なんとなく日本のものを応援したくなってしまう。なにをかくそうモンベルもそうだ。プロダクトや価格についての思想がきちんとあり、その上で製品を提供している。それが気に入ったから、モンベルを買っている。万年筆と紙もおなじで、きちんとこだわりたい。ロイヒトトゥルムの紙が気にならないといえばうそになるが、きちんと国内に還元する投資をしたい。使ってみて微妙なら海外のものを検討することもあると思うが、今のところは国産のメーカーから買うつもりでいる。

さいごに、できれば文字などが書いていないまっさらな表紙がいい。まぁ、これに関しては気に入らなかったらコラージュしてしまえばいいので優先度は低い。じっさい、MDノート以外はノートの装丁やタイトルを主張していたので、そうなりそうだ。これは製品にこだわっているのを考えると表紙もこだわってしかるべきだろう。しかたがない。

以上の条件で探してみたところ、そもそも無地のノートというのがすくない。さらにそこから180度開くとか紙の色だサイズだ厚さだ紙質だとしぼっていくと、数種類しか残らなった。結局さきほど紹介した「紳士なノート」か、リングノートだが魅力のある、月光荘のスケッチブックにおちつきそうだ。

読んでくださり、ありがとうございます。万年筆のほうもいいのにしてみたくなってまして、コンバーター式を買おうか検討中です。片足を浸しはじめて、心地よくなりはじめている。手紙を書くと今の太さでは細いし、どうしたものか……。