◆拝啓、レジャーランド様➖BPLS4➖

本当によいものをみせていただき、ありがとうございました。4年間?応援していてよかった。Season2のときの記事はこちら

セミファイナル

そもそもをいえばレギュラーステージもすばらしい場面ばかりで、書けばいくらでもいけてしまうこと、現場でリアルタイムの経験を共有したということから、セミファイナル以降のことを書く。

さて、去年、一昨年とファイナルは見に行っているのだが、いわゆるSVIPや、応援チケット(今シーズンから)は初めてだった。レギュラーステージのレジャーランドさんの調子がよく「なんか見に行けた方がいいな」と思い、軽い気持ちで応援チケットの抽選をした。当たる。おお……当たったら行きましょう。

さて、Taito Station Tratzとの対決。各選手一度ずつ出るので、相手のオーダーも重要である。見た感じだと、確実にファイナルにあがるために、KKM*氏が12レベルに出場することを読んで、前半で流れをもっていき、KKM*氏に最後、2タテされても勝てるように組んであったのかなと思う。とはいえ、先方の選手たちを2タテすることは容易ではなく、練度の高い練習をつみかさねてきたことは想像に難くない。

1戦目にこちら(ぬちお→けんたん)のストラテジーがうまく効いたこと、2戦目はストラテジーを投げられたものの返り討ちにしたことで試合の流れをもっていけたことが大きいのかな、と思う。そしてDON*氏を11スクラッチで起用し、より安定した勝利への采配も、このチームだからこそとれる作戦である。そのため、G*氏はゲーパニ戦で11スクラッチを担当していたが、あえてFinalに配置、というのも、意表をついた作戦だったかもしれない。今回のシーズンはG*氏の対戦相手や試合展開のしんどさが目立つが、こういった役割を引き受けて筐体に立つ気構えは、これまでの中でも何度かあったが、特にシーズン2のファイナルの大将戦が印象的だろう。その結果は、チームとして、今シーズンしっかりついてきた感触があった。

ファイナル

Season2はラウンドワン、Season4はアピナと、強豪チームとの決勝戦、気の抜けるひまもない。どこでステラテジーをきるのか、試合のどこで戦況がかわるのか、読めなかった。そもそもジャンルわからんし。ぜんぶで8試合あり、連続では出られない、2回ずつ選手を出場させる。得点はそれぞれ、(4*2+5*3+6*2+7)*2の82点マッチ。ジャンルで左右される場面も多いことから、観客は見守るしかない。ずっと緊張しながらみていた。

試合

初戦はNUCHIO氏とNAGACH氏。CHORDの8-10、お互い自選を守る。次、DINASO氏のPOINT ZEROがCHP*1E氏にとられる。筐体に項垂れるDINASO氏に、すかさずU76NER監督が声をかけにいく。大丈夫だ、がんばれと、他の仲間も下からエールを送っていた。そして、間髪いれずにCHP*1E氏のalla turca con passione。点差のつきにくい曲ではあるが、(たしか)黄グレ5つのままフィニッシュし、DINASO氏の勝利。自分でも驚いていたようだった。そしてリザルトがでてくると、まさかの今作初プレー、なんだこれ……。反対側の筐体で、申し訳なさそうに自席に戻るCHP*1E氏の姿がみられた。

そこから、初戦とおなじマッチングでNUCHIO氏が、8-10CHARGEで2タテし、レジャーランドに流れがやってくる。そのあとのDON*氏、UCCHIE氏の11NOTESは自選を守り合う。とはいえ、点差は10点以内と非常に迫る展開であった。「このまま引き分け続ければもしかしたら……」優勝もありえるかもしれない……。そう思ったさなかのことであった。

11レベルのSOF-LAN。DINASO氏とWELLOW氏だ。DINASO氏はまさかのFUTURE is Dead。「まさかの」というのは、その前のゲームパニック戦でWELLOW氏が同曲を投げていたのである。ここにどういった意図があるのかは、また振り返り等があれば話を聞きたいと思うが、レギュラーステージのゲームパニック戦(こちらは12レベルSOF-LAN)でMIKAMO氏をやぶった「紳士」っぷりが記憶に新しい方もおられるだろう。勝てる算段があるのだろう。きっと大丈夫だ、見守る。序盤の判定の合わなさとおぼしき数個と、加速時のギアチェンのミスから点差がひらき、WELLOW氏が勝利。そのあと、相手のfour pieces of heaven。こちらは、DINASO氏がSeason1(BPL2021)かな、CORIVE氏になげて勝利した曲である。なんとなく、ここで巻き返すこともありえるんじゃあないか……そんなことを考えていた。大きく点差は開かないまま、2点差での敗北。しらべてみると、BPL2021でのスコアは2338、今回は2374(WELLOW氏は2376)と、シーズンを渡っての成長がうかがいしれた。肩を落とすDINASO氏。フォローする仲間たち。Season2のファイナル、後半、他選を取れず、ROUND1に流れをもっていかれてしまうことがあったことを、思い出す。

そして、6戦目にしてG*氏がでてくる。ということは(連続で出られないので)、最後の試合もG*氏に託すかたちでオーダーをしたわけだ。ABEARさんからの信頼がうかがいしれ、なんだかもうその時点で泣きそうになる。テーマはTREND。自選のMUKADEは、G*氏がRANDOM、CHP*1E氏がR-RANDOMで階段のきれいな配置も光らせて迫り来るも、なんとか1点差で勝利。やはりCHP*1E氏、まだまだ伸びるだろう脅威。昨シーズン、ドラフトで獲得したアピナの先見の明はほんとうにすばらしい。相手のTRIP THE DEEPはCHP*1E氏の完成度が高すぎて圧巻。しかたないとはいえ、アピナに流れをもっていかれたままである……。

ここからレベル12、テーマはスクラッチ。Tratz戦で出場したDON*氏が登場し、ストラテジーカードを使用。WELLOW氏のLevel5がPeaktime Boosterへ。これはどうなんだろう?ありよりなのか、なしよりだったのか、そのあたりも、振り返りで聞きたいなと思う。とにかく「灼熱2」とかが出てこなくて、本当によかった。自選のBe quietは90点近く、Peaktime Boosterもおよそ20点差をつけて2タテ。レジャーランドに流れが戻ってきた……!しかし、そのためには、最終戦で1勝しなければならない。相手はストラテジーを使っていないので、きっと使うだろう。ただ、Season2のときよりも前進している。Season2のときは、もし1勝していても同点で、サドンデスの流れであった。今回、それはない。1勝すれば優勝に手が届く。ここまできたのだ……!期待と不安ないまぜなきもちで、観客席はただただ見守っていた。

そしてG*氏とUCCHIE氏の対決は12TREND。アピナ側は残っていたストラテジーを使用し、G*氏のyellow head joeSPLをSaturnSPLに。そしてUCCHIE氏は惑星鉄道。他を寄せ付けない、かつ自負をもって仕上げたことがひしひしと伝わる選曲であった。Saturnは最初から、2,3点ほどG*氏は優勢だった。しかし、細かい連打や時折やってくる密度の高さでシーソーゲームだ。途中「落ち着けェ!」と叫んだG*氏の姿が印象深かった。UCCHIE氏は今やアピナの大将、隙がなく、自選で勝ちをとりにいくだけでも骨が折れる相手である。それを、変更されてしまった曲目で目指さなければならない。自分の勝敗でチームの命運が変わる。すべてを背負っている。このプレッシャーといったら!

しかし、最後のノーツをおえ、曲が終わる。4点差での勝利。一瞬の間をおいて、みんながG*氏のもとに次々と駆け寄り、抱きしめあった。G*氏は自身が勝ったことが信じられないのか、すっかり脱力して、顔も10年くらい一気に老け込んだような表情をしていた。観客席もわけがわからず、「勝った!?勝った!!!」と、近くの人らと抱き合って喜んでしまった。感動は人をつなぐんだなと思った。そして、他選の惑星鉄道。よもや、大団円的にこの曲が使われることを、だれも予想していなかっただろう。他の追随をゆるさないプレーをUCCHIE氏が魅せた。筐体から席に戻るとき、やりきれないような表情だった。その後、ひどく自身を責めるような姿勢でおられたことも、目に焼き付いている。

ほんとうに軽い気持ちで応援チケットをとったのだが、なんと優勝まで見られるとは思いもせず、Season2の惜敗の思い出がオーバーラップし、感動して涙がでてしまった。また、選手たちだけでなく、席にいたABEARさんとU76NERさんが本当に嬉しそうにされていて、あぁ、これがチームの勝利なのだ、と……特段何をしていたわけではないが、このチームを応援してきてよかったと思った。

優勝インタビューの内容も非常によかった。配信に乗っているのだろうか。

まとめ

BPLはチーム戦だ。なかでも、アピナのチームとしてのストーリーが本当によくできていて、S1の流れをくんでのS3の勝利には感動させられた。むろん、ここには個々の選手の土力や、バックで支える人々の活躍あってこそだが、その表出としてのストーリーが最も色濃いのは、まちがいなくアピナだった。

この「チームとしての成長」というのが、とても難しいんだなというのを、このシーズンでは痛感した。今年、レジャーランドが優勝できたのは、新しく入られたDON*氏のばつぐんの安定感および、みなを鼓舞せずにはいられないほどの地力、チームGiGOからやってきたNUCHIO氏の若年ながらも大成したスキルと姿勢、DINASO氏の逆境をひっくりかえした活躍数々、各場面で、チームの勝敗を左右するポジションを引き受けたG*氏のふんばりが試合を重ねるごとに強くなっていったことに他ならない、ようにみえる。また、忘れてはならないのが、BPL2021からアドバイザーであるABEAR氏の采配と、選手への信頼、そして、今シーズンからのU76NER監督のデータ分析と、筐体に立つ選手への細やかなエールもかさなり、「優勝しうるチーム」として完成するためのピースが、よい流れで埋まっていって今回の結果に結びついたようにみえた。

ドラフトで誰をとるのかや、オーダーのこともある。ただ、それを活かしてどうチームとして育てていくかというのが、個人戦にはないおもしろさなのではないかな、というのを、改めて感じた。来年も開催されるのならもちろん見るが、チームとしての躍進をそれぞれ見ていきたいと思う。

余談

この優勝のきまった瞬間に脳内物質がドバーッと出たような感じがして「あ、このために生きてるな〜」という感覚が稲妻のようにおりてきた。こういった、好きなことを通して楽しみ・感動・つながりというのが、今の人生でけっこう損なわれていることを実感した。さすがに毎日レベルでこの優勝とはいわないものの、小さな「あ、このために生きてるな〜」がきちんとおりてくるように、人生をどうにかしていこう。

コメント

WP Twitter Auto Publish Powered By : XYZScripts.com