◆拝啓 図書館様

お世話になっております。貸出から返却までを機械ですすめられるシステムに、いつも助けられています。あらゆる公立の施設に言えることかもしれませんが、すべてを知り尽くしたべてらんの方もいれば、埋め合わせでいらしたような臨時の方もいるので、事務的な用件をカウンターで済ませるのはひどく億劫なのです。機械ならそういったぶれもなく確実で、待ち時間もない。人間のやるべきことは、どんどん減っているように感じる今日このごろです。

図書館の機能のなかで特に気に入っているのは、予約しておいた本を借りるとき、機械に自分の図書カードを読み込ませて予約書庫の位置を確認できることです。そのままICチップの埋め込まれた本を置き、カードをかざせば終了、今の図書館はこんなにもスマートなのかと感心してしまいました。借りた本や期間、ときに延滞(しておりませんが)のデータは、きっと何かのビックデータとして集計されているのでしょうが、この先どのように役立てるのか非常に気になっています。

ほかにも読みたい本の検索や予約はインターネットからできますし、本の準備ができればメールが来る。希望すれば、返却期限の2日前にリマインダーメールを送ってくださる。さらに最近気づいたのは、お気に入り機能と借りた本の記録ができることです。複数の民間サービスを使うのがどうも億劫なぼくは、市立図書館のホームページひとつでいろいろなことができるのがうれしい。図書館のことだけで、この町に越してきてよかったと感じています。

機械が人のしごとを奪うといいますが、まさに図書館も例に漏れないと感じます。しかし、機械が事務的なしごとをしてくださればしてくださるほど、職員の方々はおもしろい本の啓発や、奥深さを共有する催しをするといった、創造的な営みに時間を割くことができます。2019年現在、にんげん特有のおもしろみというのはにんげん同士の直接的な触れ合いにあるような気がいたします。対面で行うボードゲームが世界的に流行しているのも、ひとつの証左といえるのかもしれません。

図書館も旧来のあり方から脱却しなければ、機械に雇用を食いつぶされて終わってしまう未来がみえます。

ぼくは町外れに住むしがない市民ですが、住人に対して平等に、さまざまなサービスをしてくださる慈悲深さにすっかり感服しています。これからも微々たる納税を続けていきますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。個人経営のブックカフェとか、結構興味があります。

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