■不測の事態

昨年末に遡り、パートナーが家族への贈り物にネクタイを選ぶというのでつきあった。個人的にネクタイはファッションアイテム的にすきで、かといってしごと柄、性別からも全く求められる場面はなく、本当にファッション用でときどきつけるていどなのだが、きちっとしたスーツのお店に入ることはなく、贔屓のブランド店や古着店で買うのが常であった。

専門のお店については、スーツに限らないが、きちんとした話でセールストークをしてくれるのですきだ。今回も例に漏れず、スーツの下襟(ラペルというらしい)部分とネクタイの太さを合わせるとマッチ感があるとか、体格によっても太さの選び方があるとか、そういう話であった。調べればインターネットに載っていることではあるが、自分から乗り込んでいかないとインターネットは知識をくれない。こういった、思いがけない機会というのが、頭の隅で忘れてしまっていたことや、その当時の自分にとって不釣り合いであり、心の底にしまっておいたことをぐっと引き戻してくれるときがある。

今でも新聞をとっているとSNSで発言されている方が、その長所として、自分の関心のない分野や深度の記事も一覧できることを挙げていた。たしかに、大人になると小さな頃よりもいろいろ学ぶ機会が減っていくので視点はせばまっていきやすく、インターネット全盛期の今、若くても、よりその傾向は起こりやすくなる。それはさきほど述べた、「自分から乗り込む」ことからインターネットは知識を与えてくれることが多いのと、アルゴリズムとしても類似のことがらをおすすめしてくることがあるのと、他にもたぶん、考えればいろいろある。

話は戻り、パートナーの会計待ちの間、レジ後ろにある布たちのサンプルが気になり、なんとなしに尋ねてみると、オーダースーツの作り方についても端的にお話をしてくださった。既におもしろくてたまらなかったのだが、ボタンのサンプルを見せていただき既製品と水牛等の動物の素材を用いたものとの光の趣の違いを見出しておもしろくてたまらず、「しごとがうつることもあるし、オーダースーツを1回はやってみたいなー」と思った。

余談だが、その後、気乗りせず古着屋にいったらなじみの靴屋の靴が絶望的なまでに安価で置かれており購入するなど、意図せず機会がふってきてよかった1日であった。

読んでくださり、ありがとうございます。こういった不測の事態を呼び起こすところで、人と人との交流する場や店のありかたが問われる部分もあるのかもしれません。ひとりスマホで完結しづらいこと。

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