きのうは精神科の外来に行った。ちょっとよくなると行かなくなって悪化というパターンを繰り返しており、この愚かしい現状をアトリエの方に相談してみた結果「自己判断で薬をやめると却ってあぶない」「外来は信頼できる先生のところにちゃんと通うといい」というのを懇懇と諭されたのであった。さすがに信頼を寄せているアトリエのメンバーがそう言うのであれば、「ほんとうに」そうなのだろう。彼らはわたしよりずっと先輩の「精神科通い」たちである。わたしは怠惰なる心を入れ替え、知り合いに教えていただいたクリニックに予約を入れた。
結論からいうと、前通っていた病院に戻る運びとなった。伺ったクリニックの先生が得意とする領域と、わたしの求める領域のミスマッチがあったためだ。紹介状をもらうためだけに数年ぶりに訪れた前病院だが、実は法人の再編成が行われたらしく、場所も先生もがらりと変わっていた。場所は山のてっぺんにあったものが「まぁ町中といえなくはないな」というところに移り、先生に関しても相当ていねいな印象をうけたので、そこへ戻ることとなってもそう不安が募るとか、嫌悪感であるとか、行くのが遠すぎて億劫になるとか、そういった懸念は消えさっていた。わたしは先生のことばをすなおに受け取り「わかりました」と言った。
今回の件で一番おどろいたのは、伺ったクリニックの先生が「紹介状を読ませてもらったけれど、大変ていねいに書かれていて、とてもよく診てくださっているね。ちょっと通うのは大変かもしれないけれど、私よりも前の病院の先生に診てもらう方がいいと思う。」と言ったことだった。決してプラスとは言いがたい側面を見せた先生に、わたしは誠実さをおぼえた。何をかくそう、今までそういったことがなかったから、自分から何度も病院を変える羽目になっていたのだった。苦手な領域にもかかわらず一所懸命に見てくれるよりも、今回のような対応のほうがずっとうれしい。そしてわたし自身も、そういった誠実さを伴っていたいと強く思った。
前々から気になっていたことをいくつか尋ね、投薬をしてもらい病院を後にする。おそらくもう訪れることはないと思うけれど、精神科に行ってこんなにすがすがしい気分を抱ける日ももう来ないような気がする。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。カテゴリ的には「精神障害」の方に入れたほうがよいのかもしれませんが、症状うんぬんよりも先生の誠実さに心をうたれましたので、「おきてねむる」です。
コメント
[…] おとついひとの誠実さにふれて、果たしてじぶんはどうであろうかと考える。こうやってすぐおきかえてしまうところはいいところでもあり、悪いくせでもある。よくもわるくも、周り […]
[…] 前回の外来についてはいつものエッセイで書いたとおりで、病院を変更するも発達障害は先生の専門外だということで、元の病院へ戻ることになった。今回の記録がそれである。 […]
[…] 前回の外来についてはいつものエッセイで書いたとおりで、病院を変更するも発達障害は先生の専門外だということで、元の病院へ戻ることになった。今回の記録がそれである。 […]