■我が愛

先月、日本橋の誠品生活(台湾のセレクトショップ)で台湾のメーカーさんの万年筆と、有隣堂のYoutubeで知った「サクラクラフト」を買った。前者は、アラビア語の勉強を始めて、ノートに書くとき、0.4mmよりも少し太めの万年筆があってもいいかなというのもあった(実際、アラビア書道は葦の筆で描くのだが)。後者はクーピーでおなじみのサクラさんから出ている、ちょっといいゲルインクボールペンである。

アナログで記録をする機会が増えてきているのと、文房具は小さいときからなんとなく興味がある一方、とにかく紛失したり、うっかり捨てたりするものだったが、こだわりたく思い切った。振り返ればシャープペンシルなど、当時「先がまるまらない!」と宣伝されていた頃に「クルトガ」を購入して、いまだに現役で活躍してくれているし、安物買いをしなくてもいいジャンルの持ち物の筆頭ではないだろうか。

これまでボールペンはゼブラ社のサラサ一択だったが、カチカチと鳴るノック式のみのラインナップなのが少し気になり、ゲルインクで繰り出し式のボールペンを探すようになった。結果、たどり着いたのはぺんてる社のエナージェル・フィログラフィというちょっといい(25年7月現在¥2,200-)品だった。ゲルインクにしては乾きも早く、愛用しているトモエリバーの紙と相性もいい。

上記のことに加え、今回のサクラクラフトは001モデルなのだが、ボディが真鍮製で、使い続けていると色褪せて渋味がでてくる。試し書き用のものはどの色(全5色だったか)も育っており、新品もちらりと見せていただき「生き物は無理だけどこれなら育てられるかもしれない。」と思って決めた。革製品のように使って育てるプロセスを文房具でも体験できるのは楽しい。

家族やペットなど、日常の中で愛着を感じるような経験に乏しく、こういったことでも、なんだか心にしみわたってうれしかった。育てよう。まずはなくさないこと。

読んでくださり、ありがとうございます。本・文具・音楽ゲーム、わたしの愛。

コメント