■まちのこと

水樹奈々さんのライブチケットがあたったので愛媛にいってきた。家族旅行で一度いったのだったか、それでもだいぶ昔のことなので記憶がうすい。四国じたいが久しぶりだったので、中国四国は不毛の地も多しという意識の中いってみたら、想像以上にたのしい時間を過ごすことができた。

基本的に、旅行で不足感をもって帰ることはないのだが、町に対して「まだポテンシャルがありそうだな(大津市、伊勢市)」とか「居住と観光とのバランス感がむずかしそうだな(言わずもがな京都市)」と感じることはある。直近の旅でいくと、松山市はそのバランスが圧倒的によかったのである。ちなみに、車の運転ができないので、わたしのいう「いい・すきな町」というのは、公共交通機関が充実しているか、徒歩圏内の行動を想定してまちづくりをしているところにフォーカスすることをことわっておきたい。

今年の前半あたりは地方創生についての本やインタビューを見ていることが多く、そこで記載のあったうまくいく条件である「外から人が来ることに慣れている」「土地のよいところを活かしながら、アップデートしていくことを厭わない」をきちっと体現していた。松本城を中心とした城下町の開発と維持、生活・しごとをする人たちの空間と、観光の空間とが混在しすぎていないこと、スタート地となるJR松本駅および伊予鉄松本市駅から、目玉の観光地である道後温泉までの交通網が豊かであることなど、上手に土地のもつ資源を活かしながらまちづくりをしている印象を受けた。名産品である鯛めしや柑橘類もいただいたが、地元野菜を使った天ぷら、カレー、定食等、普段使いの外食もさせていただき、たべものも非常においしかった。そこにいる人たちも、会話の端々で松山がすきなんだなといったことが伝わってくる場面が多く、それにあまりぐいぐいとした引力を感じることがなかったのできらくにやりとりができた。

逆に映画や美術館、書店、古本屋等、文化資源の乏しさはぬぐえないものの、そこはもう、5大都市以外で均等に起こってきているものでもあるので、やむなしといったところか。だが、古着屋や中古レコードショップは散策していると街中にちょこ、ちょことあり、土壌があるのかもしれない。文化資源については、東京・大阪・福岡にアクセスしやすいことを条件にふくむと、将来的な移住先はぐんと広がる。松山市で考えてみると、1日数本、この3都市へのフライトがあり、まぁ陸路もなくはないといったところで、悪くはない。本州でない分、その不便さは受け入れざるをえないだろう。

こうして戻ってきたわけであるが、空港が大きすぎないことも、羽田に戻ってたくさん歩いてからフと感じた「いいところ」であった。東京の人の多さに言及して厭うことも多い一方、それなら自分が、少しスケールの小さなところに住むのがちょうどいいのかなといった思いは細々とあり、とはいえ、日本の区市町村の数は1700をゆうに超える。まぁ、そこから車がなくても生きていけて、東京・大阪・福岡へのアクセスをしやすいところだけを残したとしても、50-100つ(そういえば自治体の単位ってなんだろう)くらいだろうか?移住したいといえど、通常の収入の人間であれば、人生は今のところまだ1回しかできなさそうなので、なかなか決め切らないところである。

読んでくださり、ありがとうございます。これまでお城はほとんと関心がなかったのですが、松山城がとてもおもしろく、ちょっと他のお城も見てみたくなりました。

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