読んだもの

『イラク水滸伝』(著・高野秀行)

イラクの中にあるアフワールという、イランとトルコに近い湿地帯の人々の暮らしを追ったドキュメンタリー。著者の高野秀行さんは、10 年弱くらい前だろうか、『世界の辺境とハードボイルド室町時代』という、歴史学者の清水克行さんとの共著で出会った。こ...
エッセイ

■全身全霊のうまみ

先日、アラビア書道の体験をしてきた。大阪の民族学博物館でみた、あれである(くわしくはこちら)。もうその日は楽しみでならず、しごとも上の空であった。一応展示と、日本アラビア書道協会のウェブサイトで基本事項は調べて臨んだのだが、先生が基本事項か...
エッセイ

■愛おしき民藝

きっかけは定かではないが、旅行をしたり、展示を見にいったりして、その土地のおみやげや住んでいた人々の風土記というか、生活を見るのがたのしい。これまでも関心がないではなかったが、積極的に意識を向けるようになったのは、大阪の民族学博物館にいって...
しごとと生活

◆独立記①「ぼくは辺境の小さな村にいる」

2,3年目ごろから、どうにもこうにもしごとがつらいと思うことが増え、「だったらどうにかしたらいいじゃん」ということで、去年、一昨年くらいから、少しずつ変えようと思うようになった。なって、やっと今年のとちゅうから動き始めた。遅いというツッコミ...
エッセイ

■迂回してふたたび

喫茶でお話をしていて、バレットジャーナルの話がでた。やってみているのだといい、運用している人の本も持っておられたので、ぱらぱらと読ませてもらった。数年前にヒットした手帳の使い方であるが、だいぶ前、何かのきっかけで知ったのだったが、すっかり忘...
読んだもの

『クララとお日さま』(著・カズオ・イシグロ、訳・土屋政雄)

『わたしを離さないで』と同じく、「なにかあるんだな、ここは……」という確信だけはありながらも、具体的になにがおこっているのかわからない。語り手であるクララは振り返るようにお話を語っていくが「この時は知らなかった」「これがこんなことになるとは...
エッセイ

■我が愛

先月、日本橋の誠品生活(台湾のセレクトショップ)で台湾のメーカーさんの万年筆と、有隣堂のYoutubeで知った「サクラクラフト」を買った。前者は、アラビア語の勉強を始めて、ノートに書くとき、0.4mmよりも少し太めの万年筆があってもいいかな...
読んだもの

『わたしを離さないで』(著・カズオ・イシグロ、訳・土屋政雄)

高校の頃課題図書で出ていたような気がするのだが、そのときは音ゲーまっしぐらで、本を読まないことはなかったが、スルーした一冊。大学の後半頃からSFを読み始め、ちょっと前に出た『クララとお日さま』が気になり、そういえば……と課題図書として出てい...
読んだもの

『老神介護』(著・劉慈欣、訳・古市雅子、大森望)

『三体』で大きなインパクトを起こした劉慈欣の短編集。実は短編もやっている。面白かった。5作おさめられていたが、どれもよかった。それぞれあらすじが簡単に書かれているのだが、読むと「どういうこと!?」と引き込まれ、ついつい読んでしまった。テクノ...
読んだもの

『いきの構造』(著・九鬼周造)

大学の授業で扱っていたのだが、なんとなく読み返したくなって購入、再読した。藤田正勝先生の解説がついており、さらにわかりやすくなっている。どうしてこれを読み返したいのか、読み始めた当初はわからなかった。ただ「いき」って何だろう?と改めて思った...