今週のお話
数馬と仲睦まじくマンションへ帰る千歌。そこでは人気スペイン料理や、高級な指輪をねだっている。関係性を取り戻した後も、相変わらず贅沢志向のようだ。しかし、その後ろには小山が……。小山はすかさず千歌に連絡をとり、他の男を連れ込んでいた場合、部屋を解約する話をしたことを話す。部下に見張らせたところ、千歌は完全に黒だ。数馬が食事を作っている間に、小山から着信があったようで、話をしている。愛人契約は今月いっぱいで終了するのだと、かなり真面目な話をしているが、数馬は音楽を聞きながら料理をしていて、気づく様子はない。千歌は決定的な証拠がありながらも、強気な態度だが、小山が捨て台詞のように「若いのに乗り換え時期だったから丁度いいわ。」という。違反したのは千歌なので、手切れ金も払わず、粗大ゴミより安く簡単に捨てられて良かったと。外から電話をしていることを察した千歌は、窓から顔を出し、やりとりを始める。小山は自分と関係をもつのは金目当てだろうというが、千歌は本心かどうかはさておき、否定し、そう思うのは自分だけの問題であり、千歌自身はそう思っていなかったという。小山は人間的に問題だらけだが、家族を大事にしており、自分との関係の中でもそうだったと思っていたと切なげに言う。それを聞いた小山は、譲歩して、引越し代くらいは出すという。すかさず千歌は、引越し代に加え、半年分の家賃、300万も振り込むようにねだる。
電話を終えた千歌に、数馬が食事作りを終えてやってくる。冴えない表情の千歌に気づいた数馬は声をかけるが、千歌は真実を語ることなく、今の部屋を引き払うので一緒に住もうと言い出す。レジデンスに引っ越すと言っていた数馬のことも覚えていたようだ。実際、6畳一間のアパートから脱せない数馬の本性がわかるも、千歌は自身の願望を押し通し続ける。レジデンスを望んでいた千歌は全然話が違うといい、アパート住まいが知人にばれるようなことがあれば「千歌死ぬわ。」とまで言い放つ。焦る数馬は、九条のところへ赴く。
九条は23条照会を用いて、詐欺の犯人特定を試みたという。わからない数馬に、九条は簡単に説明するも、数馬としては犯人が特定できたのかどうかの話にすぐ、戻している。結論としては、できなかったといい、携帯電話も、口座番号も、他人がヒットしたという。数馬は妙に冷静で、事実を受け入れているが、九条は、諦めるのはまだ早いと、探偵を紹介してくれる。私立探偵・片桐は刺青がガッツリ入っていて、髭も蓄えていて、なんだかアングラっぽい印象を受ける。おまけに「数馬さんを救うよう壬生くんに頼まれました。」とも言っており、数馬は驚くが、九条は、自分抜きで進めるよう伝えるのだった。九条の見せた写真のなかから、智恵光院を探すよう言われた数馬葉、九条の事務所で写真を見つける。そこからどうやって探すのかを尋ねる数馬だが、懸賞金をかけてSNSで晒して捜し出し、特定できたら壬生に追い込みをかけてもらうという。詐欺師は複数人を詐欺にかけているため、炎上対策で返金に応じると片桐は言う。
結果、あっという間に智恵光院は追い込まれ、壬生に証拠写真を撮られる。ところかわって、菅原のアジトだろうか、数馬は壬生のことを相談している。詐欺師を詰めたのはよかったが、被害額4000万の半分を回収費として要求されてしまい、借金の返済と弁護士費用で残り300万になってしまうのだという。それを聞いた菅原は、展開の速さを疑い、初めから仕込んでいたのではないかという。菅原と犬飼で壬生を詰めている最中なので、もうすぐ終わるぞ?と、壬生を信じないように誘導しているようにもみえるのだった……。
感想
数馬はいつもたいへんだな。千歌も、愛人契約の小山を失っても現実検討ができないまま生きているし、数馬は自分の借金で精一杯だ。ここからどうなるのか。
さて、今回もっとも目を引いたのは私立探偵の片桐だ。以前、九条と烏丸がやりとりしていた曰くつきの探偵というのが、彼だろう。壬生との関係はずぶずぶのようだし、智恵光院を追い詰めるまでの筋書きもおそらく、菅原のいうとおりなのだろう。九条も片桐を紹介しておきながら「私抜きで進めてください」と言っているあたり、表向きは付き合いがないように立ち回っているのだろうか。ただ、九条のいっていたとおりの実力であれば、今後もちょくちょく出てくるようなキャラクターになるのかもしれない。
数馬は金を失ったことを千歌に悟られていないわけだが、だいぶ追い詰められてきている。それでも千歌自身を愛しているということから、千歌が離れていくことは耐え難い苦しみかもしれない。ただ、読者からみても菅原や犬飼のいうように、千歌は不良債権のように映るであろうから、その虚像にいつ気づくのかといったような気もしてしまう。一方の千歌は変わることなく過ごしているが、数馬の実際をみて、痺れを切らしてしまう可能性がなくもない。ただ、愛人契約を解消され、戻る場所もないことから、行き場を失っている感じもある。にしても、小山との駆け引きのシーンは、相手の出方を見ながらぎりぎりをせめる、ビジネス的なやりとりだったなぁ。
来週もそのまま続くようなので、楽しみにしよう。
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